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仮想化で再評価されるメインフレームColumn

x86ベースサーバファームのコストに悩む企業が増える中、仮想マシンによるメインフレームの仮想化は、これまで以上に魅力的な選択肢となっている。

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 メインフレームでは過去40年以上にわたって、仮想化が活発に利用されてきた実績がある。だが、この間に仮想化の定義のポイントは変わり、仮想化の重要性は著しく増大している。現在、仮想化の主な目的は、アプリケーション(およびインフラソフトウェア)とハードウェアプラットフォームを分離することにある。逆説的に、そのためにメインフレームは、これまで以上に有益かつ実用的なプラットフォームとなっている。

 “仮想”コンピューティングには最初から2つの意味があった。1つは、ハードウェアレベルで仮想メモリや仮想ディスクを使うことで、より高速で高レベルのストレージのスピードと、低レベルのストレージの容量をシステムが提供できること。もう1つは、ハードウェアより上のレベルの仮想マシン(VM)により、1つのシステムを、それぞれ専用のOSが稼働する複数の“マシン”に分割できることだ。例えば、System z9上でz/OS VMとLinux VMを、別のシステムであるかのように動作させることができる。現在、ベンダーが仮想化について話す場合は、大抵は2番目の定義を前提にしている。

 仮想マシンを使えば、x86サーバなどの場合よりもハードウェアの利用効率を高めることができる。このため、ハードウェアライセンスコストが一見高価なメインフレームやハイエンドUNIXサーバを、20のアプリケーションが稼働するサーバファームとほぼ同等のライセンスコストで利用することが可能だ。だが、仮想マシンの重要なコストメリットは、人的コストの削減だ。

 メインフレームの仮想化の場合、(システム)管理コストが低いのは、以下のように、メインフレーム環境が比較的シンプルなおかげだ。

  • 多数の仮想マシンで多数のアプリケーションを動作させることができる。
  • 1台のメインフレーム上のすべてのアプリケーションに同じ管理ツールを適用できる。
  • ネットワーク管理コストやシステム管理コストが新たに発生しない。

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