国内でITサービスをうまく調達している企業でも、オフショアベンダーと契約する際には念には念を入れなければならない。ITサービスを活用する上では、ベンダーに提供サービスの標準化を求めるべきかもしれないが、オフショア契約では、個別案件に応じて要件を厳密に規定するべきだ。調査会社のガートナーはこう指摘している。
「ベンダー側のひな型通りの契約にサインするのは禁物だ。ニーズに合わせてカスタマイズできる基本的な契約を、弁護士かコンサルタントに作成を依頼して用意しておくことをお勧めする」とガートナーのアナリスト、ヘレン・ハントリー氏は、同社が先ごろ実施したアウトソーシングに関するカンファレンスで語った。「また、オフショア相手国の監督官庁の裁量が入る余地がある契約にも、サインしてはならない」
これらの警告は、失敗したグローバル契約に関するガートナーの調査、特に、一般的な基本サービス契約において、オフショアアウトソーシングにかかわるリスク管理の面でどのような不備があるかについての調査に基づいている。実際、ガートナーが一般的な基本サービス契約に通常含まれると見なしている18の条項のうち、「業務のグローバル化に成功する」ためには変更を要するものが15に上ると、ハントリー氏はIT担当役員らに語った。
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