ダッシュボードを活用してROIを改善する:Case Study
効果的なダッシュボード(複数の指標を一括管理し、表示するツール)からは大きなROIを期待できるが、そのためには意味のある指標が不可欠だ。
イースタンマウンテンスポーツ(EMS)のジェフリー・ネビルCIOによると、効果的なダッシュボードを作成した企業は、大きな投資対効果(ROI)を期待できるという。「しかしダッシュボードからROIを引き出すためには、意味のある指標、すなわちCEOから販売スタッフに至るすべてのユーザーが、動向を把握し、将来を予測することを可能にするような情報が必要である」――6月初めにカリフォルニア州カールズバッドで開催された2006 CIO Decisions Conferenceに参加した企業代表者を前に、ネビル氏はこのように語った。
年商2億ドルの企業であるEMSは、アウトドアレジャー用の衣料や装備を扱っている。ネビル氏によると、同社のダッシュボードは短期間で投資を回収できたという。
「ダッシュボードは、当社にとって重要なけん引役を果たすようになった。収益の拡大に貢献しているだけでなく、新たな店舗構成のテストや新規顧客の把握にも役立っている」とネビル氏は語った。
イースタンマウンテンスポーツ(EMS)のジェフリー・ネビルCIOによると、効果的なダッシュボードを作成した企業は、大きな投資対効果(ROI)を期待できるという。「しかしダッシュボードからROIを引き出すためには、意味のある指標、すなわちCEOから販売スタッフに至るすべてのユーザーが、動向を把握し、将来を予測することを可能にするような情報が必要である」――6月初めにカリフォルニア州カールズバッドで開催された2006 CIO Decisions Conferenceに参加した企業代表者を前に、ネビル氏はこのように語った。
年商2億ドルの企業であるEMSは、アウトドアレジャー用の衣料や装備を扱っている。ネビル氏によると、同社のダッシュボードは短期間で投資を回収できたという。
「ダッシュボードは、当社にとって重要なけん引役を果たすようになった。収益の拡大に貢献しているだけでなく、新たな店舗構成のテストや新規顧客の把握にも役立っている」とネビル氏は語った。
ネビル氏によると、EMSではインフォメーションビルダーズのツールを使ってダッシュボードを社内で開発したという。このダッシュボードを利用したあるプロダクトマネジャーは、同社の75店舗の小売店の1つで売り上げが急増したのに気付いた。プロダクトマネジャーがその原因を調べたところ、「フットウェアのカリスマ」と呼ばれる店員の活躍があることが分かった。この店員は、顧客にぴったり合ったシューズを見つけるよう訓練されていた。
「プロダクトマネジャーは、1人のフットウェアカリスマを見つけ出すことができた。このカリスマ店員は、長時間にわたって顧客に応対すれば、その間にアクセサリーも売ることができるという事実に気付いたのだ」とネビル氏は話す。EMSでは、全社を通じてより多くの「カリスマ」を育成することを決めるとともに、新たな販売戦略を打ち出した。その結果、そのシーズンに20万ドルの売り上げ増を達成したという。
調査会社のガートナーが2006年に実施した調査によると、CIOが最も重視しているのがビジネスインテリジェンス(BI)である(アンケートでは1票差でセキュリティを上回った)。多くのCIOによると、現在の課題は、自社のBIプロジェクトをおざなりにしたり、新しいダッシュボードの派手な宣伝に惑わされたりしないことだという。CIO Decisions Conferenceに参加したジェフリー・シングルトン氏によると、重要なのは、原因を掘り下げて調査できる体制を確立することだという。
自動車アフターパーツ専門店、キーストーン・オートモーティブ・インダストリーズでソフトウェア技術ディレクターを務めるシングルトン氏は、「そのためにはリポーティングツールを修正し、例外ベースのリポーティング方式を採用する必要がある。このようにしてデータを理解すれば、どういったアクションを取ればいいのか分かる」と話す。
シングルトン氏とともにカンファレンスに参加したキーストーンのジーザス・アリアーガCIOによると、ダッシュボードはユーザーがリアルタイムデータに素早くアクセスし、「リポートを調べたりしなくても、直ちに問題を突き止める」ことができなければならないという。プロジェクトサイクルの早い段階でBIツールの基本要件を特定することが成功のカギである、と同氏は指摘する。
シングルトン氏によると、IT幹部は、ダッシュボード導入プロジェクトに着手する段階で、参加ユーザーを絞り込む必要があるという。プロセスに関与する人間が多過ぎると、作業がはかどらなくなる恐れがあるからだ。「プロジェクトを管理するには、CIOが各ユーザー部門のマネジャーまたは代表者を特定する必要がある」と同氏は話す。
「重要なのは、要件が何であるかを把握することだ」とアリアーガ氏は指摘する。「かつては情報不足に悩まされたが、今では誰もが情報過多に陥っている」(同氏)
BIプロジェクトが多くのCIOの優先課題となった今、多くの企業ではIT部門が収集したまま塩漬けになっている膨大なデータを活用しようとする動きが活発化している。
「現在、われわれは菓子屋に入った子供のように、あちこちに目移りしているような状況だ」(アリアーガ氏)
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