部門をまたがるチームを団結させるための5つの方法:Column
複数の部門による合同プロジェクトでは、さまざまな見解、目標、戦略を持った複数の利害関係者が絡むケースが多く、自ずから失敗の可能性も高い。成功のための5つのベストプラクティスを紹介する。
プロジェクトのポートフォリオ管理は難しいものだが、部門の枠を超えたプロジェクトの場合は、なおさらだ。さまざまな見解、目標、戦略を持った複数の利害関係者が絡むケースでは、自ずからプロジェクトの失敗の可能性も高まる。わたしは最近のセミナーで、52名の参加者に、部門の枠を超えたプロジェクトのポートフォリオをうまく管理するための主要なポイントを挙げてもらい、その回答に基づき、5つのベストプラクティスにまとめてみた。
(1)継続的な調整
調整は、プロジェクトに着手するときに実行する1回限りのステップではなく、継続的なプロセスだ。CIOと事業部長は緊密に連携し、部門間プロジェクトを、明確に規定された事業目標および戦略としっかり同調させる必要がある。プロジェクトの数が75個から287個までの、さまざまな規模のポートフォリオを十数種類以上分析した結果、かなりの数のプロジェクトは調整がお粗末であったり、最低限のレベルに留まっていることを確認できた。こうしたプロジェクトの大半は、長い間お気に入りの計画として暖めてきたプロジェクトだったり、時間の経過とともに、全社的な事業目標やビジネス戦略が変更された結果、調整が付かなくなったものなどだ。
(2)適切な関係者の関与
大半の基幹業務プロジェクトは、たとえ中小規模企業においてであれ、もはや単独の部門や単独の事業部門の業務ニーズとだけ関連しているわけではない。こうしたプロジェクトの管理には、部門を超えた賛同とサポートが必要となる。各種の利害関係者にしっかりと関与してもらう必要がある。通常であれば、要求定義やプロトタイプテスト、試験導入といった、プロジェクトの成功に必要となる各種の日常業務にかかわりたがらないような人たちによる関与も必要となる。適切な人物がプロジェクトに確実に参加するよう留意し、必要な教育を何であれ提供することは、CIOの責任だ。
(3)高価値のプロジェクト
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.