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立場の逆転で分かったベンダーとユーザーの関係Column

営業担当者を追い払う側から営業攻勢をかける側に転じたCIOが、ユーザー企業とベンダー企業の良好な関係の築き方をアドバイス。

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 筆者は最近、エンドユーザー企業のCIOからベンダー企業のCIOに転職し、今までとは反対の立場の日常について知る機会を持った。この会社は従業員50人以下と比較的規模が小さく、営業部門はわたしの直轄となっている。顧客の大半は医療関連会社なので、わたしの医療分野でのCIO経験を生かし、営業担当者の育成に当たってほしいというのが経営陣の望みだった。営業担当者にはCIOの考え方と、CIOの日々の業務には優先すべき課題がたくさんあるということを理解してもらう必要があった。

 立場の逆転は面白かった。電子メールや電話、郵便でわたしにしつこく売り込みをかけてくるベンダーの営業担当者を追い払うのが長年の仕事だったのに、今度は顧客CIOのニーズに対応できる営業担当者の育成を手助けする機会を得たのだから。

 しかし新しい役割のためには視点を変えなければならなかった。ベンダー側から物を見るようになる必要があった。つまり、ノルマや収益予想に対処し、採算性や納期にも気を配るということだ。勝手が違うとはこのことだ。

 わたしの初めての営業活動は印象深く、勉強になった。最初は営業担当者がわが社と製品について説明するのをただ聞いていた。しかし長くは黙っていられなかった。結局、わたしが割り込んで顧客の事業目標と会社の展望について質問した。

 エキサイティングだが神経戦だった。顧客が迷惑がったり、とにかくこの場を切り抜けようとしているかどうか様子を見た。時計を見たり、ブラックベリーに目をやっていたら要注意(そう、わたしもかつてあちら側でそうしていた)。相手が上の空ではないと分かったところで、わたしは質問を続けた。

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