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データセンター管理では湿度にも要注意問題は発熱だけではない

データセンターにとっての最適な湿度とは? 湿度管理に必要な機器は?――温度に比べて後回しにされがちな湿度について解説する。

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 データセンターでは、発熱だけでなく湿度も大きな問題だ。データセンターの湿度管理は、温度管理に比べて後回しにされることが多い。だが、湿度を適正に保つことは、コンピュータ部品の障害や電力の浪費を防ぐことにつながる。

 現在のデータセンターの冷却ユニットには、フリーアクセスフロア環境のCRAC(Computer Room Air Conditioner)や、天井マウント型クーラー、あるいはサーバラック列内に設置されるタイプなどがあるが、これらはいずれも相対湿度を表示し、データセンター管理者がそれを調整できるようになっている。だが業界では、データセンター機器の安定稼働を維持するには、どのような湿度範囲が適正か、また、サーバルームの湿度を測る尺度として、相対湿度のほかに適切なものがあるのかどうかが、議論の的になっている。

 確かなことは、データセンター管理者は気象学者ではないにしても、湿度とは何か、そして、湿度はサーバルームにどのような影響を与えるか――について基本的に理解しているかどうかが、コンピュータ機器の連続稼働時間や電力コストを大きく左右することだ。

データセンターと湿度

 湿度は、空気中に水蒸気がどれだけ含まれているかを表すものだ。データセンタールームの湿度が高すぎると、コンピュータ部品に結露が生じ、部品がショートしてしまう恐れがある。また、湿度が高いと、冷却ユニットのコイルに結露が生じ、結露をなくすために冷却ユニットがより強力に冷却を行わなければならなくなる恐れがある。これは冷却能力の浪費につながり、コスト高を招く。

 データセンターの湿度を測る尺度としては、一般に相対湿度が使われている。相対湿度は、ある温度の空気が含むことができる最大の水蒸気量に対する空気中の水蒸気量の割合であり、%で表される。ASHRAE(米国暖房冷凍空調学会)のコンピュータルームに関する技術委員会は、相対湿度を40〜55%とすることを推奨している。

 一方、湿度が低過ぎると、データセンターで静電気放電(ESD)が発生する可能性がある。ESDは、カーペットを敷いた床を靴下で歩いた後で、何かに触ってビリッと感じるのと同様の現象だ。こうした現象は電子機器の停止や損傷につながる恐れがある。

 数年前にポール・ヘンダーソン氏はそうした事態に見舞われた。プリンストン大学プラズマ物理研究所のシステムネットワークエンジニアリング責任者に就任した直後のことだ。システムオペレーターが静電気を帯びたままシステムに触ったところ、サーバの内部熱センサーが作動し、電源が遮断されてしまった。

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