自動監視ツールに必要な機能とは
仮想環境の管理──物理環境との違いは?
自社の環境で何台の仮想マシンと物理サーバが稼働しているか、リソース使用率が高い上位10台のマシンはどれか、把握しているだろうか? こうしたことの監視を自動化する方法がある。
抜き打ちテスト:現在、あなたの会社の実環境では何台の仮想マシン(VM)と物理サーバが稼働しているか? 答えられた方はお見事! では次の質問はどうだろう。リソース使用率が高い上位10台のマシンはどれか?
ほとんどのIT部門にとって、どちらの質問も答えるのは難しい。だが幸い、こうした事項の監視を自動化する方法がある。本稿では、実環境でのVMとホストコンピュータの監視にかかわるアドバイスをお届けしよう。
仮想マシンの管理――物理マシンとの類似点
多くの点で、VMの監視作業は物理マシンを監視する場合と似ている。集中監視ソリューションに投資した企業は、これらを継続して利用することでアプリケーションやサービスの実行状況を把握できる。例えば次の通りだ。
ベースラインの設定
ベースラインは、物理ワークロードや仮想ワークロードのリソース使用率の標準レベルを判断するのに役立つ。追跡すべき要素は、CPU、メモリ、ディスク、ネットワークパフォーマンスなどだ。
原因分析・トラブルシューティング
ユーザーからパフォーマンスが遅いという苦情が出た場合、ITスタッフが問題の主な原因を究明できることが重要だ。パフォーマンス統計によって、どのリソースに制約があるかを特定しやすくなることが多い。理論上、これを特定することは、問題の原因特定に役立ち、その解決の強力なヒントをもたらす。
アラートの生成
パフォーマンスをプロアクティブに管理するには、リソース使用率が特定のしきい値を超えたら、ITスタッフに必ずアラートが送信されるようにしておかなければならない。
これらの作業はいずれも多くのIT環境でかなり一般的に行われており、仮想ワークロードの管理にも適用できる。
仮想マシンの管理――物理マシンとの相違点
仮想化を利用する環境には、パフォーマンス監視にかかわる固有の課題もある。新しいVMの展開は迅速かつ簡単に行えるため、それらを追跡するのはかなり厄介だ。こうした課題に対応する上で有益な機能として、以下のようなものがある。
ゲスト/ホスト関係のマッピング
仮想マシン上ではOSが動作するが、リソースの使用状況は大抵の場合、ホストサーバの全体的な稼働状況に左右される。仮想化に対応した監視ツールは、個々のVMを識別し、それらをホスティングする物理コンピュータと関連付けできる必要がある。
自動対応と動的な構成変更
多くの場合、パフォーマンスに関連する問題への対応は、自動化することが可能だ。例えば、「1つのVMのCPU使用が原因でホスト全体の動作が遅くなった場合に、VMの優先順位設定を調整する」あるいは「過度なページングが発生した場合に、そのVMのメモリ割り当てを増やす」といったことを自動化できる。
幅広いプラットフォームのサポート
VMを使う場合、物理マシンの場合よりも、稼働するOSの種類やバージョンが多くなりやすい。優れたパフォーマンス監視ソリューションでは、仮想オペレーティング環境の大部分がサポートされる。
リポーティングとキャパシティプランニング
パフォーマンス監視の主な目的は、より良い意思決定を支援することにある。高度なリポーティング機能を利用することで、使われていないリソースを追跡したり、過負荷なホストサーバを特定したりできる。パフォーマンスの履歴統計を調べることも非常に有益だ。
適切なツールを選ぶ
ほとんどのOSは、1台または数台のコンピュータのパフォーマンス問題をトラブルシューティングするためのシンプルなツールを提供している。数台以上のVMを使用する環境では、パフォーマンス監視および管理の自動化ツールが事実上必須だ。以下にこうしたツールで提供される有益な機能を示す。
変更・構成管理機能
- 物理および仮想ワークロードの特性把握
- 中央CMDB(Configuration Management Database)の利用
集中管理機能
- 単一コンソールによる仮想環境の監視
- ゲスト/ホスト関係の管理
リポーティング機能
- 環境全体にわたるリソース使用状況の詳細
- 使用率が高過ぎる、あるいは低過ぎる物理サーバの特定
アラートと対応機能
- さまざまな通知手段(電子メール、ページャ、Webサイトなど)のサポート
- 問題対応の自動化
まとめ
IT管理の一般的なベストプラクティスの多くは、物理マシンの監視と仮想マシンの監視に同様に当てはまる。だが、こうした作業のためのツールを探すときには、実環境でのパフォーマンス把握に必要な時間と労力を大幅に軽減できる機能を、仮想マシンでも利用できるかどうかが基準になる。
本稿筆者のアニル・デサイ氏は、Windows Serverプラットフォーム、仮想化、Active Directory、SQL Server、IT管理に関する多数の技術書の著者。最新の著書は「The Rational Guide to Managing Microsoft Virtual Server」と「The Rational Guide to Scripting Microsoft Virtual Server」。米国各地のカンファレンスで多数のプレゼンテーションを行っており、技術雑誌への寄稿も行っている。
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