侵入検知は、コンピュータとネットワーク用のセキュリティ管理システムの一種である。侵入検知システム(IDS)は、コンピュータあるいはネットワーク内のさまざまな部分から情報を収集・分析し、侵入(組織外からの攻撃)や不正利用(組織内からの攻撃)などのセキュリティ侵犯を特定する。侵入検知では脆弱性評価(スキャニングと称されることもある)技術が用いられる。この技術は、コンピュータシステムやネットワークのセキュリティを評価するために開発された。
侵入検知機能としては以下のようなものがある。
- ユーザーとシステムの挙動の監視と分析
- システム構成と脆弱性の分析
- システムとファイルの整合性の評価
- 典型的な攻撃パターンを認識する能力
- 異常な挙動パターンの分析
- ユーザーポリシー違反の把握
米政府、米国防総省、北大西洋条約機構などの大規模サイトやネットワークへの攻撃増加に対応すべく、IDSの開発が進められている。しかし、セキュリティ防御はますます困難になりつつある。攻撃に利用できる技術がかつてなく高度化しつつあるからだ。また、過去の実績がある手法をWebから容易に入手できるので、攻撃に高度な技術知識が必要ないという厄介な状況も存在する。
一般に、IDSは2段階のプロセスを採用する。最初のプロセスは、ホストベースの受動的な部分である。この段階に含まれるのは、システム構成ファイルを検査して不適切な設定を検出する。パスワードファイルを検査して不適切なパスワードを検出する。ほかのシステム部分を検査してポリシー違反を検出する、といった作業である。2番目のプロセスは、ネットワークベースの能動的な部分である。このプロセスでは、既知の攻撃手法を再現するメカニズムがセットされ、システムの反応を記録する。
1998年、主要なセキュリティ保証組織であるICSA.netが、IDS製品開発者向けの公開フォーラムとしてIntrusion Detection Systems Consortium(IDSC)を設立した。その目的は、エンドユーザーにセキュリティ情報を提供すること、そして業界標準を開発することである。
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