「ICタグ義務付け」でRFID推進の先手を取ったWal-Mart:付いていないパレットは1台当たり2ドル徴収
小売りの世界最大手であるWal-MartがサプライヤーにRFIDを義務付けたことで、企業は大量の商品に無線タグを付ける必要が生じ、結果的にID自動化に動く可能性がある。
米Wal-Mart Storesは1月、RFID(Radio Frequency IDentification)推進の言葉通り、傘下の会員制ディスカウントストアSam's Clubのサプライヤーに対し、2008年1月31日付でパレット(荷積台)への無線ICタグ取り付けを義務付けた。ICタグがない場合はパレット1台当たり2ドルを徴収する。Wal-Martはケースや商品への無線ICタグ取り付けについても意欲的なスケジュールを設定している。
米AMR Researchの調査担当副社長、ジョン・フォンタネラ氏は「こうなることは誰もが分かっていた」と話す。Wal-Martは2005年からRFIDの宣伝に乗り出し、Sam's Clubのサプライヤーに対しては昨秋からRFIDについて説明を始めていた。
義務化がWal-Martの店舗ではなく、Sam's Clubのテキサス配送センターで始まったことを意外であると受け止める向きもあったが、この戦略は理にかなっているとフォンタネラ氏は言う。700のチェーン店を持つSam's Clubのサプライヤーの約60%は、それよりはるかに数が多いWal-Martのチェーン店とも取引がある。
「Wal-MartがRFID戦略順守を促すためにSam's Clubを代理として使い、すぐに同種の手数料と罰金をWal-Martのサプライヤーに科してもまったく不思議はない」とフォンタネラ氏。
Wal-Martのサプライヤーがこの巨大チェーンと取引する対価として、命令に従うのは確実だ。
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