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正式リリース版で見るHyper-Vの機能と運用の勘所いまさら聞けないHyper-V【後編】

Hyper-Vの利用に当たっては、その仕様を理解しておくことが重要だ。今回はHyper-Vの機能を解説しつつ、注意点や押さえておくべき勘所を紹介する。

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 前編「正式リリース版で見るHyper-Vのアーキテクチャ」では、Hyper-Vのアーキテクチャについて解説した。今回は、Hyper-Vの各種機能やその機能を利用する際の勘所について解説する。

Hyper-Vの導入と基本操作

 Hyper-Vの各種機能を説明する前に、Hyper-Vの導入方法を簡単に紹介しておく。Hyper-VはWindows Server 2008の基本機能の一部であり、導入は簡単だ。具体的な手順は以下の通り。

Hyper-Vのインストール

  1. BIOSユーティリティで仮想化機能(Intel VTまたはAMD-V)とデータ実行防止機能(DEP)を有効にする
  2. Windows Server 2008(x64版)をインストールする
  3. Hyper-V用更新プログラム「Windows6.0-KB950050-x64.msu」をインストールする
  4. 「サーバーマネージャ」でHyper-Vの役割を追加する

 Server Coreの場合は、次のコマンドを実行する。

*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***

 以上の操作を行ったら、再起動する。以上でHyper-Vの導入は完了だ。

 なお、手順3の更新プログラムは、サーバーマネージャでHyper-Vの役割を追加した後でインストールしても問題ない。

Hyper-Vマネージャ

 Hyper-V上の設定変更や仮想マシンの管理は、「Hyper-Vマネージャ」で行う(画面1)。Hyper-VマネージャはMMC 3.0のスナップインとして実装されている。

Hyper-Vマネージャ 画面1 Hyper-Vマネージャ《クリックで拡大》

 Hyper-Vマネージャでは以下の操作が可能である。

  • 仮想マシンの一覧、状態確認
  • 仮想マシンの作成、削除、設定変更
  • 仮想マシンの起動やシャットダウン、一時停止、スナップショットなど
  • 仮想ネットワークの設定
  • 仮想HDDの操作(作成、削除、変換など)
  • 仮想マシン操作用の接続クライアント(vmconnect.exe)の起動・終了(画面2)
接続クライアント 画面2 接続クライアント(vmconnect.exe)《クリックで拡大》
  • 仮想マシンのエクスポート/インポート
  • ほかのHyper-Vホストへの接続と管理

 Hyper-Vマネージャは、Windows Server 2008(x86版)にも同梱されている。また、Windows Vista SP1にもインストール可能であり、クライアントPCからHyper-Vをリモート管理することもできる。

仮想マシンの作成

 仮想マシンの作成は、Hyper-Vマネージャの右ペインで[新規]→[仮想マシン]をクリックすると起動する「仮想マシンの新規作成ウィザード」で行う(画面3)。ウィザードの指示に従い、仮想マシンのCPU個数やメモリ容量、HDD、ネットワーク、DVDドライブの設定を行えば、簡単に仮想マシンを作成できる。

仮想マシンの新規作成ウィザード 画面3 仮想マシンの新規作成ウィザード《クリックで拡大》

 ゲストOSのインストールは、ホストの物理CD/DVDドライブを仮想マシンに割り当ててOSのインストールメディアからインストールするか、ISOファイルイメージを利用する。

 ゲストOSをインストールしたら、すぐに「統合サービス」をインストールしよう。仮想マシンの接続クライアントの[操作]→[統合サービス セットアップ ディスクの挿入]を実行し、セットアッププログラムの指示に従ってインストールを行えばよい。

サポートされるゲストOS

 Microsoftによって正式にサポートされるゲストOSは、以下の通り。OSごとにサポートされるCPUの数が異なる。また、Windows NT 4.0のような古いOSはサポートされない。

 なお、ゲストOSごとにCPU数をチェックするような機構は存在しないため、以下に書かれたCPU数以上でも動作する可能性はある。ただし、正式サポートされないので注意が必要である。

サポートされるゲストOSとCPU数(※)
OS CPU数
サーバOS  
Windows Server 2008(x86、x64) 1、2 or 4
Windows Server 2003 R2 SP2(x86、x64) 1 or 2
Windows Server 2003 SP2(x86、x64) 1 or 2
Windows 2000 Server SP4/Advanced Server SP4 1
SUSE Linux Enterprise Server 10 SP1/SP2(x86、x64) 1
クライアントOS  
Windows Vista SP1(x86、x64) 1 or 2
Windows XP SP3(x86) 1 or 2
Windows XP SP2(x64) 1 or 2
Windows XP SP2(x86) 1

※:サポートされるゲストOSやCPU数については、正式にはMicrosoftのKnowledge Baseで確認してほしい。
Guest operating systems that are supported on a Hyper-V virtual machine host

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