技術は激変してもサービスのヒドさは不変
ネットワークプロバイダーの賢い利用術
一昔前に比べてネットワーキング技術は激変したが、1つだけ変わらないものがある。ネットワークプロバイダーのサービスの徹底的なひどさだ。
このコラムの読者から興味深いメールが届いた。わたしの写真を見て「かなり年配の方に見える」というのだ。わたしは最初、少し傷ついた。昔の50歳に相当するのが今の60歳だというのなら、わたしが「年配の方」になるのはまだかなり先だ。しかしあらためて自分の写真を客観的に見てみると、実際の年齢よりも老けて見えることに気付いた。これはわたしが過去15年間を、会社の存亡にかかわる超巨大プロジェクトの管理とITチームおよび部門の運営に費やしてきたためだ。どうやら自分のITキャリアがわたしを実際の年齢よりも老けさせ、白髪を増やし、太らせたようだ。
その責任の大部分はデータネットワークにある。会社のトランザクション処理専用のネットワークから、電子メールとインターネットのトラフィック処理およびビデオストリーミングを主目的とし、付加的にトランザクションも処理するネットワークへの移り変わりを、わたしは目の当たりにしてきた。この変遷の間にネットワーキング技術は激変し、課題も大きく変わった。
古き良き時代、ネットワークセキュリティはたいした問題ではなかった。ネットワークは閉ざされていて、アクセスを管理すればセキュリティも管理できた。今ではリスクを発見・回避するためにフル装備のITツールが必要だ。そしてITは極めて手堅い行動でパッチを調査、テスト、適用する必要がある。手堅い、というのは、もしもパッチの適用を怠れば、手痛いことになりかねないからだ。数年前にある友人が行った調査では、全ITダウンタイムの70%近くが、実稼働システムへの変更導入プロセスの不手際が原因で自ら招いたものであることが分かった。
現在のネットワーキングは、数年前に比べて格段に選択肢が増えた。銅は光ファイバーに変わったが、ケーブルとワイヤレスも利用できる。われわれは最も人里離れた拠点の1つで携帯電話無線カードに接続したマイクロ波トランスミッターを使ってネットワークとインターネットへの接続を提供している。いつかグローバルWiMAXネットワークに接続するだけで新しいロケーションを設定できるようになる日まで、自分が生きていられるといいのだが。
あらゆる変化の中で、1つだけ変わらないものがある。ネットワークプロバイダーのサービスの徹底的なひどさだ。いまだに注文してからサービスが開始されるまで45~90日もかかり、正確な請求書もよこせず、単純な質問にも入り組んだ製品とカスタマーサービス責任者・部門を通過しないと答えが出せないらしい。わたしはサービスレベルの向上を追求する中で、考えられる限りの契約形態を試した。プロバイダーと直接契約したり、コンソリデーターやアグリゲーターを通したり、新興企業も古参企業も試した。この過程でわたしは、ネットワークプロバイダーとの関係管理の手助けとなる幾つかのガイドラインを確立した。
最も大切なこととして、ネットワークプロバイダーに期待できる内容を社内顧客には常に低く言っておくことだ。プロバイダーが60日で導入できると言えば、社内顧客には――もしすべてを完全に把握できていて運が良く、自分たちの業務に極めて精通している場合で――少なくとも90日かかると言っておく。プロバイダーが3Mbpsのパフォーマンスを約束しているのなら、期待できるのは約1Mbpsだと社内顧客には告げる。常に期待値を引き下げることがなぜ大切かといえば、プロバイダーのパフォーマンスが向上することはあり得ないからだ。
次に、サービスを提供しているプロバイダーの間で違いはほとんどないので、切り替えコストはできるだけ低く抑えたい。わたしは長期契約を結ぶことは避けている。交渉するときは3年契約を結んだ場合の価格を出させ、それからプロバイダーに、その3年契約の価格を1年半または2年契約に適用してほしいと話す。プロバイダーが文句を言えば、別のプロバイダーと交渉を続けるだけだ。
3番目に、何がサービスレベル違反に当たるかを定めた条項に、追加項目を盛り込む。わたしの条項では、導入とアップグレードは期限を超えない、請求書は正確に、見積もりは期限を超えない、という条項を加えている(かつて回線の1つで帯域幅を増やすための見積もり取得に6週間近くかかったことがあった)。
これと並行して、わたしは常に新技術に目を向けている。3G無線カードが登場すればそれをテストする。衛星プロバイダーがサービスレベルをアップグレードすれば、試験的に導入してみる。
社内外でネットワーク化が進んだ職場環境では、実際、ネットワークが成功と失敗の分かれ目になることもある。自分のプロバイダーが成功につながるレベルのパフォーマンスをしっかり提供してくれるよう、わたしはひたすら追求を続けている。
本稿筆者のニール・ニコライゼン氏は米HeadwatersのCIO兼戦略計画担当副社長。
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