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仮想化でデスクトップのライセンスコストを削減する方法:仮想マシンでWindowsを実行するための「VECD」ライセンス
MicrosoftがWindowsユーザー企業に提供しているライセンス「Windows Vista Enterprise Centralized Desktop」を上手に利用すると、仮想化でデスクトップのライセンスコストを削減することができる。
仮想サーバの場合と同様、仮想デスクトップを利用するに当たっては、各ユーザーのデスクトップに適切なライセンスが備わっていることを確認しなければならない。MicrosoftはWindowsを利用している企業の便宜を図るために「Windows Vista Enterprise Centralized Desktop」(VECD)というライセンスを提供している。
このライセンスはWindows VistaのEnterpriseエディションがベースとなっており、MicrosoftとEnterprise Agreementを締結する必要がある。VECDライセンスは、仮想化されたデスクトップをローカルマシンおよびサーバ上で実行できるというユニークなライセンス形態を提供する。VECDは以下の特徴を備える。
- Windows Vista Enterprise(またはダウングレードされたデスクトップOS)をサーバ上に無制限にインストール可能
- アクセスデバイス別に仮想デスクトップをライセンスできる。ユーザーが任意のデバイスから仮想デスクトップにアクセスするたびに、1つのライセンスが使用される。会社でライセンスされたデバイスの主要ユーザーであれば、そのユーザーの自宅のコンピュータからサーバ上の仮想デスクトップマシンに無償でリモートアクセスできる
- 各ユーザーは同一のアクセスデバイス上で一度に最大4つの仮想インスタンスを実行できる。しかし2台のアクセスデバイスを使って4つのセッションに接続することはできない。各アクセスデバイスごとに1つのライセンスが必要とされるからだ
- 企業は静的または動的にホスティングされたデスクトップアーキテクチャを実行できる。静的デスクトップでは特定の仮想マシン(VM)がユーザーに割り当てられる。動的デスクトップはユーザーのニーズに応じて、その都度生成される
- 仮想デスクトップはMicrosoftインフラあるいは非Microsoftインフラ上で動作できる。例えば、以下のような構成が可能だ
・Citrix XenDesktopを利用する場合には、Citrix XenServer、VMware ESX、あるいはHyper-Vを備えたMicrosoft Windows Server 2008上でデスクトップVMをホスティングできる
・VMwareまたはMicrosoftのCitrixベースの仮想デスクトップインフラストラクチャ(VDI)を利用する場合には、それぞれのサーバ仮想化プラットフォーム上でデスクトップVMをホスティングできる
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