SODECに見る「プロジェクト管理ツールの最新動向」:第19回ソフトウェア開発環境展イベントリポート
2010年5月12日から14日までの3日間、東京ビッグサイトにて「第19回ソフトウェア開発環境展(SODEC)」が開催された。本稿では、プロジェクト管理ゾーンに出展された関連製品を紹介する。
ソフトウェア開発や保守、運用のための製品および技術を展示する「ソフトウェア開発環境展」(以下、SODEC)。19回目となる今回は新たに「ERP&業務アプリケーション」が加わった。プロジェクト管理ゾーンでは「さまざまな手法によって、プロジェクトに関連するデータの情報共有とその活用を促進させる」ことを目的とした製品が多く出展されていた。本稿では、その中から幾つかの製品を紹介する。
最新版「Microsoft Project 2010」を展示
2010年5月から、プロジェクト管理ツールの最新版「Microsoft Project 2010」の企業向けボリュームライセンスを販売開始したマイクロソフト。同社のブースでは、Microsoft Project 2010と同時発売された「Microsoft Visio 2010」とともに製品デモや試用版の提供などが行われていた。
Microsoft Project 2010では、新たに「プロジェクトポートフォリオ管理」機能が搭載された。需要分析や起案管理、キャパシティー分析などによって、限られた予算とリソース内におけるプロジェクト投資の最適化を支援する。
また、プロジェクトの概要などを可視化する機能「タイムラインビュー」が搭載された。従来のガントチャート形式では、タスクの数が多くなると状況確認のために画面をスクロールさせることが必要だった。そのため、プロジェクト全体の進ちょく状況や各工程の関係性の把握が難しいこともあった。タイムラインビューでは、プロジェクト全体を1列で表現することで、プロジェクト全体の規模感や各タスクの占める割合などがより直感的に把握できる。
そのほか、リソース負荷を考慮しながらメンバーへのタスク割り当てを支援する「チームプランナー」や、Microsoft SharePoint Foundation 2010のタスクリストとの連携が可能になるなど、チーム開発の管理を強化する機能が追加されている。Microsoft Project 2010はスタンドアロン型「Project Standard 2010」、サーバ連携機能が搭載されている「Project Professional 2010」、情報共有プラットフォーム「Project Server 2010」の3種類が用意されている。
「見える化」だけでなく「見せる化」も重要
デンソークリエイトは工数管理・プロジェクト管理ツール「TimeTracker FX」を出展。TimeTracker FXは、同社のソフトウェア開発の実績や経験を基に開発・製品化され、「メンバーの実績工数を正確に集めて、現場のプロセス改善につなげる」ことを目的とするツールだ。そのため、メンバーの工数入力作業の負荷を軽減しながら、工数を高精度に計測・分析するための機能を搭載している。
TimeTracker FXでは、ドラッグ&ドロップのマウス操作のみでタスクごとの工数を入力できる。また、作業中のタスクに要した時間を記録したり、1時間ごとに経過時間を通知したりする「レコーダー」機能を搭載しており、タスク単位で「自分が想定していた作業時間と実際に費やした時間との差」を自覚できる。
さらに、入力した実績工数から上司への報告書などのリポートを自動作成できる「クイックレポート」機能を搭載している。これにより、メンバーからの「見せる化」が容易になり、メンバーおよび管理者間での情報共有や今後のプロセス改善に活用できる。
そのほかにも、ガントチャートにおける進ちょく状況の把握を容易にする「イナズマ線」や、親子関係にあるタスクでもその関連性に依存することなく調整が可能である点など、柔軟なプロジェクト管理を実現する機能を備えている。TimeTracker FXには、工数管理と基本的なプロジェクト管理機能を搭載した「Standard Edition」と、プロジェクト分析機能などを搭載した「Professional Edition」の2種類が用意されている。販売価格は、18万9000円から(最小構成5ライセンスのStandard Editionの場合。税込み)。
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