アプリケーションの性能レベルが向上
SSDがネットワークとCPU使用率に与える影響
ストレージにSSDを導入した場合、ネットワークとCPU使用率にどのような影響を及ぼすのだろうか? テストラボの検証結果を基に検証してみよう。
皆さんは恐らく、医薬品に添付されている説明書で、その医薬品を使用した場合に起こるかもしれない好ましくない事象が列挙されるのを目にしたことがあるだろう。SSD(ソリッドステートドライブ)のメリットを説明する際にも、同じ方法が有効かもしれない。ただしありがたいことに、SSD技術の副作用とされるものの中には、実際にはメリットかもしれないものもある。
SSDはストレージのボトルネックを移動させ、システム内の新たなボトルネックの存在──時には予想外の場所に存在していることもある──をあらわにすることができる。本稿では、私の会社であるDemartekのテストラボで数年前から実施しているテストに基づき、ストレージにSSDを導入した場合に影響が及ぶ可能性のある2つのITインフラ分野、「ネットワーク」と「CPU使用率」について説明する。
SSD技術とネットワーク
アプリケーションによっては、SSD技術はネットワークに顕著な影響を及ぼす可能性がある。SSDの性能は回転式ディスクドライブと比べてはるかに高いため、より短い時間でより多くのI/Oを実行できる。つまりSSDを導入すれば、ネットワークを使用するエンタープライズアプリケーションによって、ネットワーク負荷が増大する可能性があるということだ。こうして増大したネットワーク負荷は、単にネットワークの稼働率を「低レベル」から「中レベル」に引き上げる程度であれば、特に問題にはならない。だが場合によっては、アプリケーション性能が大幅に向上し、ピーク時の負荷──あるいは負荷が持続的に増大する可能性もある──に対応し得る十分な帯域幅を提供するためには、ネットワークアダプターを追加してネットワークインタフェースカード(NIC)のチーミングを行わなければならなくなる可能性もある。
われわれはあるテストで超高速のPCI-Express(PCIe)SSDカードを使い、トラフィック量をかなりのレベルまで高めてみたが、意外なことにストレージ性能は比較的低速だった。詳しく調べたところ、アプリケーションサーバで1ギガビットイーサネット(GbE)のNIC4枚をチーミングさせていても、ネットワークがボトルネックとなり、PCIe SSDカードの性能をフルに引き出せていないことが判明した。そこでわれわれはテストを再構成し、クライアントとアプリケーションサーバに10GbEアダプターを採用して10GbEネットワークを使用するようにした。その結果、ようやくPCIe SSDカードの性能をフルに引き出せるようになった。
われわれの業界は目下、「10GbEネットワークの導入が広がる一方でSSDの採用も拡大中」という興味深い変曲点にいる。私は個人的には、SSDと10GbEネットワークは非常に相性がいいのではないかと考えている。
SSD技術とCPU使用率
非仮想の物理サーバ環境において1種類のOSが比較的新しいサーバプラットフォームで動作している場合、CPU使用率は概して非常に低く、20%以下のことが少なくない。われわれはそうした状態を「CPUが十分に使用されていない状態」と見なしている。一方、仮想化環境においては、稼働中のゲストマシンやアプリケーションの数にもよるが、CPU使用率は概してはるかに高く、「十分に使用されていない状態」とは見なされないのが普通だ。
当社ラボのテストでは、SSDを使用してアプリケーションの性能レベルを向上させた場合、性能の向上とSSDの遅延時間の短縮により、多くのケースでCPU使用率が高まることが分かっている。一部のテストでは、物理サーバ環境で回転式ディスクを使った場合のCPU使用率が10%程度なのに対し、同じ物理サーバでSSDを使うとCPU使用率が50%まで高まることが確認できている。もちろん、より多くの仕事をこなせるのだから、これはいいことだ。ただし1台の物理サーバで何台の仮想マシン(VM)を実行できるかを考える際には、SSDを導入するとストレージ性能が大幅に向上する点を計算に入れる必要がある。
まとめ:SSDはボトルネックを動かせる
SSD技術にはボトルネックを移動させる力がある。SSDを導入すると、CPU、メモリ、ネットワーク、ストレージ間の性能バランスは明らかに変化する。SSDの導入が進む中、サーバやネットワーク、ストレージの各管理者にはそれぞれの領域における作業負荷計算の調整が求められる。当社ラボのテストでボトルネックがどう移動したかについては、DemartekのWebサイトのSSD Zoneをご覧いただきたい。
本稿筆者のデニス・マーティン氏は米コロラド州アーヴァダのコンピュータ業界分析会社Demartekの社長。Demartekは自社でオンサイトのテストラボを運営している。
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