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専門家8人が徹底討論! クラウドにデータを預けるリスクとメリットクラウドガバナンス座談会【後編】

クラウド座談会リポートの後編。専門家8人がクラウドの安全性を見極めるポイントと、クラウドに「データを預ける」場合のリスクやデータガバナンスをテーマに議論した模様をお伝えする。

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 2011年は、「クラウドコンピューティング」というキーワードで、さまざまなサービスやソリューション、クラウド向けデータセンターが生まれた年だった。この流れを受けて2012年は、本格的にクラウドの活用が期待されている。

 「システムを所有せず他者に預ける」というクラウドの形態には、メリットも多いがリスクも存在する。セキュリティやプライバシー、システムの安定性、各国の法制度によるカントリーリスク――こうしたガバナンス課題がクラウドの導入を阻む要因になっていることも事実だ。

 TechTargetジャパンでは2011年12月13日、クラウド利用促進機構(CUPA) 荒井康宏氏の協力の下、クラウドガバナンスをメインテーマに専門家8人を迎えた座談会を開催した。前編「2011年クラウド業界を振り返る 〜IaaSの発展、混沌としたPaaS業界の行方」では、2011年印象に残ったクラウドサービス、今後注目のPaaS、事業継続におけるクラウドの活用についてリポートした。後編となる本稿では、クラウドの安全性を見極めるポイントと、クラウドに「データを預ける」場合のリスクやデータガバナンスをテーマに議論した模様をお伝えする。

登壇者

モデレーター

荒井康宏氏 一般社団法人クラウド利用促進機構(CUPA)理事。「オープンクラウドキャンパス」事務局長。さまざまな活動を通して企業と個人におけるクラウドの利用促進と普及に努めており、クラウド事業者や利用者への技術支援も行っている。

パネリスト(50音順)

渥美俊英氏 電通国際情報サービス クラウドエバンジェリスト。90年代からインターネットバンキング、電子認証、セキュリティの技術開発を担当。最近は、業務システムのクラウド利用を推進中。オープンソースビジネス推進協議会(OBCI)副理事長、NPO法人Seasarファウンデーション理事。

大井哲也氏 TMI総合法律事務所 弁護士。IT関連や国際企業取引などを専門に、セミナー、執筆など多方面で活動。東京弁護士会、経営法曹会議、ISMS認証機関公平性委員会委員、クラウド利用促進機構 法律アドバイザー。

加藤 章氏 電通国際情報サービス ビジネス統括本部 クラウド事業推進センタ クラウドストラテジスト。クラウドに軸足を置いて調査、企画、情報発信、営業支援および社外とのアライアンスを担当する。連載「企業向けシステムを構築するパブリッククラウド」を担当。

川田大輔氏 連載「クラウドガバナンス現在進行形」筆者。Cloud Architect。18年にわたり大手ソフトウェア/ハードウェアメーカーでのマーケティング、ITベンチャーでの事業開発、技術開発、技術投資業務を経験し、2009年より現職。

河野省二氏 ディアイティ セキュリティサービス事業部 副事業部長。情報セキュリティ専門家。経済産業省の「クラウドサービス利用のための情報セキュリティマネジメントガイドライン」の作成に従事。

寺田眞治氏 オプト海外事業本部 北京欧芙特信息科技有限公司董事長。新聞社・メーカーのハウスエージェンシー、携帯コンテンツのサイバードの共同設立、三菱商事、インデックス執行役員を経て現職。総務省の各種委員、業界団体の役員などを歴任。総務省の「ライフログ活用サービスにおける配慮原則」作成に参画。

林 雅之氏 国際大学GLOCOM客員研究員。ICT企業勤務。クラウドサービスの開発企画やマーケティングなどを担当。クラウド利用促進機構 総合アドバイザー。連載「エンタープライズクラウドを定義する」を担当。


安全なクラウドを見分ける、認証とガイドライン

第三者認証とSLAの違い

荒井 クラウドの安全性・信頼性を示す指標として第三者認証があります。例えば、Amazon Web Services(AWS)は、「SAS70(米国監査基準第70号) TypeII」「ISO27001」「PCI DSS プロバイダー認証 レベル1」を取得しています。取得している事業者と取得していない事業者は何が違うのでしょうか。また、ユーザーは認証をどう活用すればいいのでしょうか。

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