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2012年は「地域包括ケア元年」 医療・介護連携の今後ソフトバンクテレコム「ヘルスケアセミナー」リポート【前編】

2月17日に閣議決定した「社会保障・税一体改革大綱」で医療・介護分野の強化が盛り込まれた。6年に一度の診療報酬、介護報酬の同時改定や高齢者支援サービスの開始など2012年は大きく変動する年になりそうだ。

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 政府・与党は2012年2月17日、「社会保障・税一体改革大綱」を閣議決定した。社会保障・税一体改革は社会保障の機能強化やその維持のために、消費税の引き上げなどによって財源の確保と財政の健全化の同時達成を目指す。大綱では主に6つの分野の社会保障改革を進めることが盛り込まれている。その中の1つに「医療・介護サービス保障の強化」がある。団塊世代の多くが後期高齢者となる2025年までに「高度急性期への医療資源集中投入など入院医療強化、地域包括ケアシステムの構築などを図り、どこに住んでいても適切な医療・介護サービスが受けられる社会の実現」に取り組むという。地域包括ケアシステムとは、在宅医療や訪問介護、重度化予防、日常的な生活支援などに従事する多職種の機関が連携し、1人の患者に対して包括的なケアサービスを提供する仕組みを指す(関連記事:地域医療再生に向けた国家戦略とは?)。

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武藤氏

 2012年2月、ソフトバンクテレコムが主催した「ヘルスケアセミナー2012」において国際医療福祉総合研究所長 国際医療福祉大学大学院教授 武藤正樹氏が「医療が変わる to 2020 〜医療ICTのゆくえ」と題した基調講演を行った。武藤氏は「医療計画見直し等検討会座長」(厚生労働省)、「高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部レセプト情報等の活用作業部会座長」(内閣府)などを務めている。講演の中で、武藤氏は「地域包括ケアは2012年が元年。医療・介護の連携が進み、より複合的なサービスの提供が始まる」と語った。本稿では講演内容を踏まえ、2012年以降の医療IT政策の展開や地域包括ケアシステムの構築に向けた取り組みなどを紹介する。

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