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中堅・中小企業のグローバル設計・開発環境を支援するObbligato for SaaSNEWS

Obbligato IIIをベースにしたマルチテナント対応のSaaSサービスが登場。日本企業の支持が厚いNECのPLMが、中堅・中小企業の海外進出を後押しする。

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 NECは2012年6月8日、同社PLM製品「Obbligato III」をベースとしたクラウドサービスの販売を開始した。サービス提供開始は2012年10月からとなっている。サービス名は「Obbligato for SaaS(オブリガート フォー サース)」。

 Obbligato IIIは同社の最新PLMシステムだ。さまざまなシステムとの連携を考慮し、この前のバージョンである「Obbligato II」の段階で、アーキテクチャを大きく変更している。Obbligato IIIではこれをさらに機能モジュールごとにSaaS/社内システムで切り分けが柔軟になるように改編していた。詳細は過去の記事を参照してほしい。

 今回のObbligato for SaaSでは、「Obbligatoシリーズの多数の導入実績で培ったノウハウを元に、採番や設計変更といった業務プロセスを標準定義しサービスとして実装している。利用者は個別にカスタマイズすることなく短期間で導入できる上に、安価に利用できるSaaS型のPLMクラウドサービスとなっている」(同社発表資料より)という。同社では、自社内にシステムを構築する場合と比較して、10ユーザー利用の場合、初期費用を90%削減、5年間の運用コストを40%削減できるとしている。SaaSの採用により、自社内でのシステム構築工数が掛からないので、「最短2週間」で利用可能になる。

 なお、同サービスで2012年10月段階で提供するサービスは「製品構成(BOM)管理」「ドキュメント管理」「設計変更情報管理」の3つ。

 今後は原価管理機能や含有物質管理などの機能を追加していく予定。さらに、海外拠点での利用を想定した機能拡張も予定しているという。Obbligato for SaaSの料金設定は以下の通り。

初期費用(10ユーザーの場合) 50万円〜

月各利用料(同、3サービス利用の場合) 30万円〜


 Obbligato for SaaSの主要な機能は次の通りだ。

マルチテナント対応 1つのObbligatoアプリケーションを複数の企業で共有して利用が可能なアーキテクチャを採用。単一のシステムで海外子会社などとリソースを共有できる

業務プロセステンプレートからカスタマイズなしで利用可能 「Obbligato III」の機能が利用可能で、かつ、標準的な業務プロセスがテンプレート化されているため、カスタマイズなしで即利用可能。また、SaaS型なので、製品のバージョンアップや機能追加に工数が掛からない

パラメータで各種設定が可能に 部品や図面を管理するための項目名(属性)、承認ステータス、アクセス権など業務運用のための基本環境がパラメータで設定できる。ユーザーの必要に応じた画面設定の変更も容易だ

マルチテナントでObbligato for SaaSを利用する場合のイメージ
マルチテナントでObbligato for SaaSを利用する場合のイメージ

Obbligato III R2.1は企画BOMとエンタープライズサーチが目玉に

 なお、Obbligato for SaaSの発表と併せて、NECではPLMソフトウェア「Obbligato III R2.1」も発表している。こちらは2012年7月1日から販売を開始する。主要な機能強化は次の2点。

「企画BOM」の提供 グローバルの商品企画情報をデータベース化し、共通部分を設計に迅速に反映する商品企画支援機能

検索機能の強化 「SharePointServer 2010」などのエンタープライズサーチ機能と連携することで、ファイルサーバや他システムの情報と「Obbligato R2.1」に登録されている設計情報や部品情報などを一括して検索・閲覧が可能になる機能


 なお、Obbligato for SaaSおよびObbligato III R2.1は、2012年6月20〜22日に開催される「第23回 設計・製造ソリューション展(DMS2012)のNECブースでも展示される予定だ。NECを含む展示会の情報はMONOist内特設ページで確認できる。


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