電子カルテを導入する医療機関が拡大する中、東京都立広尾病院は病院内のあらゆる情報を収集し、有効に利用するための情報管理システムの構築に取り組んでいる。
東京都立広尾病院(以下、広尾病院)は「1人でも多くの患者に安全・安心・良質の医療を提供する」ことを理念に掲げ、救急災害医療や心臓病医療、脳血管疾患医療、島しょ医療を重点医療とする総合医療施設(一般病床476床)だ。
同病院は2004年、電子カルテの情報をより有効に活用するために、電子カルテのデータを集約・分析するデータウェアハウスを独自に構築。同システムを「ハイパーシステム」と名付けている。ハイパーシステムは、データベース管理ソフト「FileMaker Pro」をデータベースエンジンに用いて、患者の診察状況をリアルタイムに把握できるシステムである。さらに今後の展開として、iPadを活用したモバイル型システムの構築に取り組んでいる。こうした広尾病院のIT化推進を一手に担っているのが、小児科医長兼IT推進担当の山本康仁氏だ。
「電子カルテは、患者のさまざまな医療情報をひたすら蓄積する。その情報を確認する際にはログインし、患者1人ひとりの電子カルテを開いていく必要がある。現代の医療はチーム医療であり、1人の患者に多くの医療従事者が関わり、複数の担当者の情報が電子カルテに集約される。電子カルテの情報が更新されても、担当医師は電子カルテを参照するまでそれに気付かないことがある。さらに情報が分散してしまい、その把握に時間を要することもある」と、山本氏は通常の電子カルテの課題を指摘する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
遠隔医療体制を構築する際は、患者や通常業務への影響を押さえながら進める必要がある。パンデミック下で一斉に遠隔医療体制を構築した2つの医療機関の例を紹介する。
オーストラリアでは処方箋の完全電子化が一般化しているが、制度確立までの道のりは平たんではなかった。完全電子化を阻んだ課題とその解決策とは。
コロナ禍を契機に、湾岸諸国では「デジタルヘルスケア」への移行が加速している。湾岸諸国におけるデジタルヘルスケア産業の重点投資分野とは。デジタルヘルスケア推進の”壁”とその対処法についても紹介する。
医療機関は膨大なデータを扱い、そのデータに基づいて重要な決定を下す場合がある。一方、データの質は低くなりがちだ。それはなぜか。データの品質を改善させるために必要な方策と併せて紹介する。
英国の国民保健サービスでイングランド地域を管轄するNHS Englandが、医療サービス向けの新データ基盤を構築している。この計画に英国市民団体が“待った”をかけたという。なぜなのか。
お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。
「応援広告」の認知度 推し活実施層では約6割に
ジェイアール東日本企画は、推し活の実態と応援広告の浸透状況の把握を目的とした調査を...
2024年の国内動画広告市場 「縦型」は前年比171.1%、「CTV」は初の1000億円超え
サイバーエージェントが11回目となる国内動画広告市場の調査結果を発表した。
CRO(コンバージョン率最適化)とは? 具体的なプロセスと押さえておきたいポイント
購入完了、会員登録、資料請求、アプリダウンロードなど、ビジネスモデルやWebサイトの目...