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会計不正は対岸の火事ではない:【IFRS】青山学院 会計サミットレポート【前編】
オリンパス、大王製紙の事件を受けて日本企業のコーポレートガバナンスを再考する議論が本格化している。社外取締役、内部通報制度、会計監査はガバナンスの向上に有効か。識者による議論を紹介する。
青山学院大学大学院 会計プロフェッション研究科主催の「第10回 青山学院 会計サミット」が7月11日に同大学で開催された。10回目を迎える今回は、2011年に発覚したオリンパスの巨額損失隠し事件や、大王製紙の私的流用事件を受け、「企業不正を巡る諸課題 〜その防止と発見を目指して〜」がテーマ。本稿では前後編に渡って議論をお伝えする。前編では特別講演とパネル討論会の内容を紹介する。
特別講演はオリックスの取締役兼代表執行役会長・グループCEOの宮内義彦氏が行った。同氏は1人の経営者として、オリンパスと大王製紙の事件について「大変に驚いた」と振り返った。その上で英国のLIBOR(ロンドン銀行間取引金利)操作問題へのバークレイズ銀行の関与などにも触れ、「企業を巡る問題が起きないためには、制度的にももっときちんとしないといけない」と指摘した。
オリンパスが損失隠しを始めたきっかけは、金融商品の時価評価ルールの変更だったといわれている。「それまでは許された処理ができなくなり、新しい会計基準では不正と知って(損失隠しを)行った。これはIFRS適用などで現実に日本企業が当面する問題ではないか」
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