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再生医療などに活用、ゲノム・臨床情報の統合管理プラットフォーム 日本オラクルNEWS

日本オラクルが遺伝子やゲノム、臨床・診療情報などの統合管理プラットフォームを発表。がん研究や再生医療における基礎研究の成果を実際の診療に応用するまでのデータ収集・分析などを支援する。

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 日本オラクルは10月19日、トランスレーショナル医療を支援するデータ管理ソフトウェア製品群「Oracle Health Sciences Translational Research Center」(以下、Oracle TRC)を提供開始した。トランスレーショナル医療とは、新しい領域における基礎研究の成果を臨床の現場で試用してその有効性や安全性を確認し、実際の診療に応用するまでの過程を指す。日本国内では、文部科学省が2007年から「橋渡し研究支援推進プログラム」事業において、研究機関と臨床機関のトランスレーショナルリサーチ(橋渡し研究)の体制整備を支援している。

 Oracle TRCは、遺伝子や診療・臨床情報などの膨大なデータを統合するデータモデルや、システム横断的にデータを分析するツールなどで構成される。データモデルは、診療・臨床情報、患者基本情報、経営コストなどのデータ解析用モデル「Oracle Healthcare Data Warehouse Foundation」と、ゲノムなどのオミックス情報の解析用データモデル「Oracle Health Sciences Omics Data Bank」の2種類だ。データモデル内の臨床情報やゲノム情報を組み合わせた結果の抽出や傾向を分析には、「Oracle Health Sciences CohortExplorer」ツールを用いる。

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Oracle TRCの構成イメージ《クリックで拡大》

 同社によると、ゲノム解析情報と診療・臨床などの医療情報を統合し、それらを組み合わせた分析が可能という。また、バイオマーカー検索やコホート研究、トランスレーショナルリサーチにおける情報活用を支援するとしている。

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リー氏

 既にOracle TRCは、MD Anderson Cancer CenterやMoffitt Cancer centerなどのがん研究プロジェクトで活用されている。米Oracleのヘルスサイエンス・グローバルビジネスユニット Clinical&Translation Informaticsディレクター P4 Medicine フェロー、フレデリック・S・リー氏は、Oracle TRCについて「オラクル以外の他社のデータ解析ツールも利用できるオープンプラットフォーム。臨床とオミックスデータを統合する分析ビューを使用でき、経営層から医療スタッフ、研究者など幅広いステークホルダーのワークフローを支援する」と説明する。

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ゲノム構造の可視化例《クリックで拡大》

 日本でのOracle TRCの展開について、医療&ライフサイエンス インダストリー事業部 日本&アジア太平洋 日本担当ディレクター 前田全紀氏は「京都大学の山中伸弥教授がノーベル生理学・医学賞を受賞したことで、再生医療が注目されている。しかし、基礎研究の成果をどう現場で活用するかについては現状では課題が多い。Oracle TRCによって、その橋渡しを支援する。まずは公的機関での導入を目指す」としている。

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米Oracleのクレセンゾ氏

 これまで米Oracleと日本オラクルは、ライフサイエンス(医薬品・医療機器業界)向けソリューションを多く提供してきた(関連記事:臨床研究や新薬開発などの安全性管理機能を強化 日本オラクル)。米Oracleのヘルスサイエンス・グローバルビジネスユニット シニア・バイスプレジデント&ゼネラルマネジャー 二ール・デ・クレセンゾ氏は、「これまでライフサイエンスとヘルスケア(医療業界)は、それぞれ情報の電子化を進めてきた。両分野の情報統合とその分析を可能にすることで、遺伝子情報に基づいた患者により最適化された個別化医療を実現できる。医療の質の向上やコスト低減に貢献できる」と説明した。

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