16ビットアプリはもう安心して使えない?
レガシーアプリ、Windows 8移行の勘所
16ビットアプリケーションを使い続けている企業も多い中、Windows 8にレガシーアプリケーションを移行する際には、どのような点に留意すればよいのだろうか。
16ビットアプリケーションは32ビット/64ビットに置き換えるべき
2012年8月まで「Metro」と呼ばれていたWindows 8のインタフェースのうわさが流れたとき、Windows 8におけるレガシーアプリケーションの動作を懸念する声が上がった。だが、すぐに杞憂にすぎないと分かった。β版がリリースされると、既存の32ビット/64ビットアプリケーションの大半はWindows 8で問題なく実行できたからだ。
しかし、エンドユーザーには分からない課題を企業は抱えている。その1つが、現行OSでは正式にサポートされないレガシー16ビットアプリケーションを使い続ける必要があることだ。Windows 8は 7と同様に、64ビット版では64ビットまたは32ビットアプリケーションしか実行できない。32ビット版では32ビット版と16ビット版のアプリケーションを実行できるが、この先も16ビットサブシステムの存在に頼るのは完全な解決策とはいえない。16ビットサブシステムに、全ての16ビットアプリケーションとの互換性があるとは限らないからだ。
例えば、回避策はあるとされているものの、16ビット版のCOM(Component Object Model)アプリケーションの問題が報告されている。加えて、16ビットサブシステムがWindowsの今後のバージョンでも提供され続ける保証はない。長期的に考えると、16ビットアプリケーションのコンポーネントを32ビット/64ビットに置き換えることがベストだ。ちなみに、特定の端末にプリインストールされて販売されるWindows RTの場合、ARMプロセッサ向けにコンパイルされたアプリケーション以外は実行できないので注意が必要だ。
デスクトップ仮想化も有効な手段
既存のアプリケーションを使用する方法としては仮想化も一般的だ。Windows 7ではWindows XP Modeがこれに該当し、Windows Virtual PCを使って仮想マシンにXPをインストールして実行する。ただし、このWindows XPには別途ライセンスが必要だ。
Windows 8にはWindows XP Modeはないが、類似のソリューションが幾つか存在する。
そのうちの1つが、「Microsoft Desktop Optimization Pack」の1コンポーネントとして提供されているデスクトップ仮想化テクノロジー、「Microsoft Enterprise Desktop Virtualization」だ。これを使えば、パッケージ化した仮想マシンのイメージをWindows 8を搭載したクライアントPCで利用できる。個々の既存アプリケーションを仮想化し、仮想デスクトップインフラで集中管理しながら、各クライアントPCに提供することも可能だ。
既存のカスタムアプリケーションを上位互換のあるアプリケーションに置き換える場合は、Microsoftが提供している「Windowsアプリ認定キット」というパッケージが便利だ。標準のデスクトップアプリケーション、またはWindowsストアアプリケーションとして、Windows 8での動作を検証できる。
なお、Microsoftは自社製品に関する技術情報を集約したWebサイト「TechNet」でWindows 8アプリケーションの互換性に関するフォーラムを開設している。Windows 8向けの基幹業務アプリケーション開発のガイドラインも提供しているので参考にしてはいかかだろうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[NTTインテグレーション株式会社] 取引先のセキュリティをどう管理する? 「SCS評価制度」対応の勘所を解説 -
製品資料
[NTTインテグレーション株式会社] SCS評価制度「★4」取得のカギ 最大の壁を突破する方法とは? -
製品資料
[NTTインテグレーション株式会社] 2026年度末から運用開始 「SCS評価制度」に備えて製造業がやるべきことは? -
事例
[ネットワンパートナーズ株式会社, アイビーシー株式会社] ハイブリッド環境の一元管理と快適な無線LAN環境、三井ホームはどう実現した? -
市場調査・トレンド
[TD SYNNEX株式会社] 調査で学ぶセキュリティ運用の実態 人を増やさず品質を維持する方法とは?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
3
「ノートPC派」は損をしている? Dellと考える“自作PC”のメリット
-
4
「業務改善とツール活用」に関するアンケート
-
5
「GitHub Copilot」3000人に配布も基本機能しか使われない 保険大手が得た教訓
-
6
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
7
年収700万超エンジニアに共通するスキルと「もっと勉強すべきだった分野」
-
8
業務用プリンターの老舗が挑むAI活用に向けた開発基盤変革を伴走支援
-
9
IT製品の導入に関するアンケート「PC&デバイス」編
-
10
“Intel CPU”搭載PCを危険にさらす「UEFIファームウェア」の脆弱性とは
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
2
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
3
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
4
バックアップは“取っているから大丈夫”なのか? ランサムウェア時代の備え方
-
5
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
6
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
7
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
8
5分で分かる Microsoft 365のデータ損失に備えるためのバックアップの仕組み
-
9
ネットワーク遅延の原因、「パケットロス」の基礎知識と効果的な解決策
-
10
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー