情報漏えい対策製品を導入する企業がしてはいけないこと:DLPの普及が進まない理由【後編】
情報漏えい対策製品(DLP)を導入するためには押さえておきたいポイントと、できれば避けたいポイントがある。読者調査からDLPを巡る動向を伝える。
前編記事「情報漏えい対策製品をまだ導入していない企業の言い分」では、企業の情報漏えい対策製品(DLP:Data Loss Prevention)導入の阻害要因を紹介した。後編ではDLPを効果的に導入するためのポイントを解説する。
DLPを包括的な形で導入する場合、「新規プロジェクト、クライアント、デザインなどに対応してルールを更新するために継続的なメンテナンスが必要になる」と、米調査会社Forrester Researchのセキュリティリスク担当主席アナリスト、アンドルー・ローズ氏は話し、「この経費を無視してしまうと、結果として短期のうちにDLPの価値が低下する」とくぎを刺す。
DLPの導入においては「ユーザープロファイルの設定が厄介な問題になりかねない」と、情報セキュリティの非営利国際組織、Information Systems Security Association英国支部(ISSA-UK)の調査担当副社長、エイドリアン・ライト氏は言う。地位や職務に基づいてユーザーの動作を遮断する抑圧的な方法は、大抵の場合、ある程度の感情的な抵抗を呼び起こす。誤検知があれば、ユーザーの動作が不必要にブロックされかねない。
ISSA-UKでは、まず小規模な自己完結型の事業分野や業務で実験的に導入し、最初は検出のみとすることを提言している。
「ポリシーが調整できるまで、何もブロックしないことだ。多数のテストシナリオを作成することにより、誤って問題として検知してしまうケースだけでなく、誤って『問題なし』と判断してしまうケースにも目を向ける。そうしなければ、真に重要なデータが流出しかねない」とライト氏は指摘する。
扱いにくく効果が薄い
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