遠隔画像診断サービスのシステム基盤に仮想インフラを採用、ドクターネット:NEWS
物理サーバ環境をVMware vSphereに移行し、仮想化基盤で9台のXenAppサーバを稼働。読影医向けの画像ビュワーやオペレータが利用する業務アプリケーション、オフィスソフトなど30種類のアプリケーションを利用している。
ネットワールドは7月29日、遠隔画像診断支援サービス事業を展開するドクターネットが「Citrix NetScaler VPX」と「Citrix XenApp」を採用した新システム基盤を構築し、2012年末から稼働させていると発表した。
ドクターネットは、全国360カ所以上の病院や医療機関から委託された画像の読影を、契約する全国300人の放射線診断専門医に依頼し、その診断結果リポートを戻す遠隔画像診断支援サービス「Tele-RAD」を展開している(関連記事:2012国際医用画像総合展に見る、医療クラウドへの期待)。同社は医用画像の実データを読影医に再配信しない仕組みを実現するため、Citrixのアプリケーション仮想化ソリューション「Citrix XenApp」(導入当時は「Citrix Presentation Server」)を2005年に採用し、自社のデータセンターで利用してきた。しかし、従来の物理環境ではWebインタフェース用サーバが冗長化されないという問題があったため、VMware仮想環境への移行を図りシステム基盤を刷新した。
ドクターネットの新システム基盤では、物理サーバで構築していた環境をVMware vSphereに移行。その仮想化基盤で9台のXenAppサーバを稼働させ、読影医向けの画像ビュワーやオペレータが利用する業務アプリケーション、オフィスソフトなど30種類のアプリケーションを利用している。
ネットワールドによると、Citrix NetScaler VPXによりアプリケーションへのセキュアなアクセスを提供し、サービスの安全性を確保した快適な利用環境を提供しているという。また、患者のプライバシーにかかわる重要な医療画像データを専門医が遠隔地から安全に読影できる信頼性と可用性の高いシステム基盤を構築したとしている。さらに、Citrix XenAppを活用して一元管理することで、医療機関からの読影依頼と読影医を的確にマッチングすることが可能となり、クライアント側は「Citrix Receiver」を導入するだけで済むという。
ドクターネットはTele-RADをはじめ、Tele-RADのクラウド型読影環境のみをASPサービスで提供する「Virtual-RAD」、読影環境のオンプレミス構築を実現する「Flex View」などのソリューションを展開している。今後もインフラの改善を継続実施し、サービス内容の強化やさらなる品質向上を目指すという。
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