米Microsoftのアーキテクトが解説
SQL Serverが「2012 R2」ではなく「2014」になる理由
米Microsoftのアーキテクトに、インメモリ技術を導入したMicrosoft SQL Server 2014の目玉機能と、SQL Server 2012よりも前のバージョンから2014に移行する場合の検討ポイントを聞いた。
SQL Server 2014の目玉機能は?
近くリリースされる「Microsoft SQL Server 2014」の新機能、そしてアップグレードに際してデータベース管理者(DBA)が考慮すべきポイントについて、米Microsoftでナショナルプラットフォームアーキテクトを務めるマーク・クローマー氏に話を聞いた。
―― まず、SQL Server 2014全般についてどう考えていますか?
クローマー氏 これは非常にデータベース志向の強いリリースになります。われわれは以前からインメモリ技術に注力していますが、今回のリリースでは、SQL Serverプラットフォームにもインメモリ技術を導入し、アナリティクスの「xVelocity」、CEP(複合イベント処理)の「StreamInsight」、そしてOLTP(オンライントランザクション処理)の「Hekaton」で採用しました。Microsoftはこれらの分野での技術開発を通じてSQL Serverプラットフォームを進化させ、ビッグデータ、リアルタイム処理能力を改善するインメモリ技術、Windows Azureを利用したクラウドベースでの同プラットフォームのサポートに対応させる取り組みを続けています。SQL Server 2014では、高可用性、そしてオンプレミスとクラウドのハイブリッド環境におけるバックアップとディザスタリカバリのサポートも強化します。
―― SQL Server 2014の最大の特徴を挙げてください。
クローマー氏 SQL Server 2014で最も話題になるのはHekatonでしょう。ビッグデータも確かにMicrosoftが力を注いできた分野です。ですが私は「Data Explorer」も素晴らしいと思っています。これは、クラウドあるいはオンプレミスの構造化および非構造化データを参照するための機能です。プレビュー版はmicrosoft.comからダウンロード可能で、私はユーザーの立場でPOC(機能検証)を行っています。
SQL Server 2014へのアップグレードパスは?
―― 「SQL Server 2012 R2」をリリースしないのは問題になりませんか?
クローマー氏 私は北米のSQL Serverユーザーと日常的に接していますが、製品マーケティングとネーミングという点ではIT部門およびユーザーにとって、それが問題になるとは思えません。SQL Serverの次期バージョンの前にR2を提供したのは、「SQL Server 2008 R2」のときです。その最大の目的は、「PowerPivot」機能を導入することにありました。あのときは、その機能を組み込んだリリースを提供するには新たなネーミング方式を採用することが重要であり、それが「R2」ということになったわけです。その一方で、SQL Server 2008 とSQL Server 2008 R2をめぐっては、SQL Serverプロフェッショナルの間で混乱が生じたという話を耳にすることもあります。このため、今回はR2ではなくSQL Server 2014とするのが良い考えではないかと思います。
―― SQL Server 2012のリリース後、比較的早い時期にSQL Server 2014が出るわけですが、この2つよりも前のバージョンを運用しているユーザーには、どういったアップグレードパスを推奨しますか?
クローマー氏 SQL Serverのアップグレードを計画しているDBAには、基本的にいつも同じアドバイスをしています。『あなたのSQL Serverデータベースは重要な業務インフラソフトウェアなのだ。よって、系統立ったテストとチェックを含めた計画を注意深く作成しよう。SQL Server 2014のようなメジャーバージョンにアップグレードする場合は、個々の分野で目標とする改善効果を検証するためのプロトタイプをあらかじめ作成しておこう』といったアドバイスです。
SQL Server 2014の場合でいえば、そういった改善効果としてはOLTPパフォーマンスの改善やクラウドベースのバックアップなどが挙げられるでしょう。「Upgrade Assistant」や「Best Practices Advisor」などの無償のMicrosoftツールを使えば、廃止予定の機能やバージョン間の互換性問題を確認できます。もう1つ重要なポイントがあります。それは、サポートが終了したバージョンのSQL Serverを運用してはいけないということです。もちろん、SQL Server 2008からの移行を予定している企業の場合は当面、そういった心配は無用ですが。
―― 最後にお聞きしますが、「TechEd」カンファレンスで最も気に入ったのは何ですか?
クローマー氏 もちろん、クインティン・クラーク(MicrosoftのSQL Server担当副社長)が行った「SQL Server」の基調講演です!
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社MatrixFlow] 「物流リソース最適化」ガイド:人員・配車・傭車を出庫依頼の確定前に決めきる -
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
3
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
4
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
5
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
6
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
7
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
-
8
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
9
「結局使わなくなる」Microsoft 365 Copilotを半年で定着 キリンの3施策
-
10
「中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティ運用実態」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー