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徹底レビュー:低価格で攻めるWindows 10タブレット、Dell「Venue 8 Pro 5855」の実力は?サイズそのままで高解像度実現(3/3 ページ)

低価格フルWindowsやReal Sence3D導入などDellのWindowsタブレットは常に挑戦的だ。「Venue 8 Pro」の新モデルも、初代モデルが高評価だっただけにユーザーの期待はいやがうえでも高まってしまう。

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ベンチマークテスト

 同じベンチマークテストのスコアで比較した場合、2014〜2015年初頭に登場したAtomシリーズ搭載のWindows 8、またはWindows 8.1採用タブレットでは、Venue 8 Pro 5855の結果に並ぶ製品はなかった。しかし、より大型で高価なビジネス用タブレットやノートPCと比較すると、Venue 8 Pro 5855の結果は比較対象を下回る。ユーザーは多くのデバイスと同様に、処理能力と価格、そして、持ち運びやすさのトレードオフを考慮して購入するか否かの決定をする必要がある。

Futuremarkのベンチマークテスト「PCMark8 Home」(Acceleratedモード)によるWebサーフィン、動画のストリーミング、ドキュメントの作成、ゲームのプレイなどの処理に関する全体的なシステムの総合スコア。スコアが高いほどパフォーマンスが高い(写真=左)《クリックで拡大》。Futuremarkのベンチマークテスト「PCMark8 Work」(Acceleratedモード)によるWindows 10で業務関連処理を実行したときの総合スコア。スコアが高いほどパフォーマンスが高い(写真=右)《クリックで拡大》
Futuremarkの「3DMark 11」による3D描画処理におけるグラフィックスコア処理能力の総合スコア。スコアが高いほどパフォーマンスが高い(写真=左)《クリックで拡大》。ベンチマークテスト「wPrime」によるCPU演算処理能力の比較(単位:秒)。スコアが低いほどパフォーマンスが高い(写真=右)《クリックで拡大》

バッテリー駆動時間

 DellはVenue 8 Pro 5855のバッテリーについて「長時間持続可能」というだけで、1回の充電による連続駆動時間を公表していない。TechTargetがVenue 8 Pro 5855でFuturemarkの「Powermark」ベンチマークテストを実施したところ、4時間7分という結果になった。初代Venue 8 Proは同じテストで6時間以上持続していた。ただ、PowerMarkは測定条件を実際の利用場面より厳しく設定している耐久テストなので、スコアが表すのは「少なくともこれだけの時間は保証できる」というバッテリー持続時間だ。それでも、仕事で1日中Venue 8 Pro 5855を使用するユーザーは、充電器を一緒に持ち歩くべきだろう。

Powermarkによるバッテリー連続駆動時間の測定(単位:分)。スコアが高いほどバッテリーの持続時間が長い《クリックで拡大》

結論

 総合的に見ると、Venue 8 Pro 5855は悪いタブレットではないが、優れたタブレットでもない。そして、初代Venue 8 Proの評価には及ばない。確かにディスプレイのスペックは高く、USB Type-Cを搭載したのも最新モデルとして評価できる。しかし、処理能力はAtom x5-Z8500の限界があり、バッテリー持続時間には間違いなく改善を望みたい。

価格(ただし北米販売モデルに対する評価)

 初代Venue 8 Proのリリース当時、フルバージョンのWindowsが動くタブレットが300ドル台で購入できるのは驚くべきことだった。しかし、2016年第1四半期においてWindowsを搭載した低価格タブレットは当たり前になっている。そういう意味で、Venue 8 Pro 5855の最小構成モデルが349ドルという価格設定は、特に注目することではなくなっている。

長所

  • 64ビット版 Windows 10 Proが使えるタブレット
  • 従来モデルと比べて高解像度のディスプレイ
  • USB Type-Cの採用

短所

  • 辛うじて十分な程度のバッテリー持続時間
  • Atom x5シリーズにとどまる処理能力

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