「ストレージコントローラーはもう必要ない」──実際にやってみた:SANの導入以来の大きな変化
今や、ストレージコントローラーがボトルネックになっているという。実際にストレージコントローラーを排除したシステムでパフォーマンスはどの程度向上するのか。
ストレージコントローラーはもう必要ない。ハイパーコンバージドアプライアンスメーカー、Scale ComputingのCEOジェフ・レディ氏はそう確信している。
レディ氏は本誌Computer Weeklyのインタビューに応じ、現行のストレージアーキテクチャは変わらなければならない、ストレージコントローラーを入出力(I/O)パス上に配置した状態では、NVMe(Non-Volatile Memory Express)フラッシュは本来の性能を発揮できないという持論を展開した。
「これまでストレージは、処理性能上のボトルネックだった」と同氏は話す。「しかし、今のボトルネックは他のコンポーネントだ。少し前から、ストレージコントローラーのCPUがボトルネックになっているという話を聞くようになったが、今は実際にそうなっている。コントローラーは排除しなければならない。NVMeとコントローラーを併用する正当な理由が見当たらないからだ。コントローラーはもはや不必要なものだ。これは、SANの導入以来の大きな変化だ」
レディ氏の一連の発言は、Scale Computing製品のレイテンシに関する発表の後に行われた。その発表とは、同社は実測値(注)で、NVMeとNANDフラッシュを使った4ノードのスケールHC3クラスタ構成でレイテンシ150マイクロ秒を、またNVMeと「Intel Optane」、つまり3D XPointを採用したメディアを搭載したシステムで20マイクロ秒の低レイテンシを、それぞれ達成したというものだった。
注:Scale Computingの発表によると、同社が性能評価を実施した環境は、4ノード構成のHyperCore-Directで、読み取りと書き込みの両方のワークロードをランダムに混在させ(読み取り90%、書き込み10%)、24台の仮想マシンで実行したという。
同じくNANDとNVMeを配置したクラスタでは、260万IOPS(1秒当たりの入出力処理回数)を達成している。
この値を、「標準的な構成」のレイテンシと比べてみよう。
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