ハイブリッドクラウドオブジェクトストレージの基礎(前編)
「ハイブリッドクラウド」で「オブジェクトストレージ」ならできること
ハイブリッドクラウドに対応したオブジェクトストレージを使うと何が実現するのか。両者の特長を生かすことによって、データを柔軟に運用できるようになる。
ドキュメントを「Dropbox」に保存するたびに、皆さんはクラウドオブジェクトストレージを使用していることになる。Dropboxは当初、Amazon Web Service(AWS)の「Amazon S3」で構築されていた。
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一方Facebookのユーザーは、同社が独自開発したオブジェクトストレージシステム(Haystack)に、毎日約3億枚の画像をアップロードしている。このオブジェクトストレージシステムは、従来の階層型ストレージアーキテクチャで扱える範囲を超えるボリュームを処理できる。
現在では、増加の一途をたどる非構造化データを処理するために多くの企業がオブジェクトストレージに注目している。
オブジェクトストレージでは、データとメタデータが一意の識別子と共に格納される。この方式は、より大量のデータが格納できるようになるだけでなく、大容量のファイルも効率良く格納できる可能性をもたらす。
また、オブジェクトストレージは階層的なファイルシステムやファイルパスに依存しないため、データを分散させることができる。異なる種類のストレージ機器に分散して保存することもできるし、機器が物理的に離れた場所に設置されていても問題ない。
「オブジェクトストレージは、データの格納場所を気にする必要がないので、広範囲に分散させることができる」と、調査会社Gigaomの主席アナリスト、ジョン・コリンズ氏は指摘する。
ハイブリッドクラウドはどこからでも使えるストレージ
膨大な数の大容量ファイルを処理するために、データセンター内のオブジェクトストレージをローカルストレージとして利用することは可能だし、実際に行われている。
報道機関や研究開発、科学研究、医療機関、政府組織は、オブジェクトストレージを使用している。特にメディアや画像データのために使われる。ここで挙げられるメリットは、可用性と耐障害性(レジリエンス)、そしてもちろん拡張性(スケーラビリティ)だ。
例えば、オブジェクトストレージの「OpenStack Swift」は遺伝子研究用データの保存使われているが、一方でコンシューマー市場ではオンラインゲームのデータファイルの保存にも利用されている。
オブジェクトストレージもまた、クラウドでの運用によって前進している。
S3や「Amazon Glacier」といったAWSのクラウドストレージアーキテクチャは、オブジェクトベースのストレージシステムだ。
S3は大規模なクラウドベースデータストアのデファクトスタンダードとなり、S3と連携するソフトウェアの開発に取り組んでいるクラウドアプリケーションのサプライヤーは今も増加中だ。クラウドベースのバックアップやリカバリーなどのサービスを構築するために使用されているからだ。S3もオブジェクトストレージも、用途はパブリッククラウドに限定されない。プライベートクラウドでも利用できる。
しかし、オブジェクトストレージをデータセンターのアーキテクチャの一部、またはクラウドアプリケーションの基本要素として捉えると、その可能性の大部分を見落とすことになる。
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