飛躍する商用ドローンサービス 農業や建設、通信での利用は?:有望市場開拓に向けた課題
商用ドローンサービスは、農業、建設、通信といった特定業界を横断する大きな需要があり、サービス事業者には専門知識が求められる。
フランク・セガラ氏のビジネスモデル転換は、刷新の多い業界の中でも際立っている。同氏は通信コンサルティング業から、ドローンサービス事業者へと転換した。
それは実際のところ、2段階の転換だった。セガラ氏は16年かけてコラボレーションハードウェアとソフトウェアベンダーの間接販売チャネルを築いたが、オンプレミスからクラウドへとシフトする潮流に乗ってチャンスをつかもうと、クラウドコンサルティングを手掛けるConnexiCoreの創業を決断した。2014年後半に同社を設立し、ユニファイドコミュニケーション(UC)分野に照準を絞ったが、期待したような差別化を図ることはできなかった。
「この市場は飽和状態で、イノベーションも欠如していた。これにはやりがいを感じなかった」とセガラ氏は振り返る。
そこでConnexiCoreが導入した新製品とサービスの1つがドローン事業だった。もともと熱心にドローンを飛ばしていた大の航空ファンであるセガラ氏にとって、ドローンへの転換は必ずしも無理な挑戦ではなかった。サービスとしてのドローンのモデルは軌道に乗り、ConnexiCoreは間もなく全米の顧客から、建設現場の調査や農業関係業務や工業検査を依頼されるようになった。業務用のドローンは注目の市場になった。
セガラ氏は自身のドローンサービス事業について「本当にクレイジーな状態になった」と語る。
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ドローン活用を支える技術
活況のビジネス
ドローンは実際のところ、巨大なテクノロジー分野になりつつある。Goldman Sachsの推計では、2020年までに市場規模は1000億ドルに達すると予想され、企業や自治体では最も急成長が見込まれる。商用ドローンサービスは一般的なチャネルパートナーの主力サービスになっているとは言い難いが、一部の企業は無人航空機(UAV)を中心としたサービスの開発に着手している。米ITソリューションプロバイダーのWorld Wide Technologyは2017年に、ドローン検出技術を手掛けるDedroneと提携した。Dedroneは無線周波数センサーなどのアプローチを通じてドローンを追跡するためのプラットフォームを提供している。
ドローンへの関心が高まり、操縦士の手配が追い付かないこともある。セガラ氏は米首都ワシントンで開かれた「CompTIA ChannelCon 2018」のドローンに関するパネルディスカッションで、サービスに対する需要に応える上での課題について言及した。
ドローンの依頼が増大し、同氏は全ての現場に足を運ぶことなく顧客にサービスを提供する方法を考えなければならなかった。セガラ氏は、ドローンの操縦士を審査して、クラウドベースのポータルを構築し、そこを通じて操縦士が仕事を受注できるようにした。ConnexiCoreは全米で約200人の操縦士と契約している。
「多くの場合、ミッションはあらかじめ設定できる」と同氏は言う。
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