他国も無関係ではいられない、Apple対オーストラリア政府の行方:オーストラリア国外プロバイダーにも適用
オーストラリア政府の暗号解読法案にAppleが強く反発している。万人のプライバシーを守るべきか否か。同様の法律が各国に波及する可能性も懸念されている。
Appleはオーストラリア政府の暗号化解除法案に異議を表明している。暗号化を弱めれば犯罪が容易になり、深刻なリスクにつながるというのが同社の主張だ。
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Appleは、同法案についてオーストラリア議会に提案書を提出した。この法案が可決されると、テクノロジー企業は暗号化通信へのアクセスを可能にするよう法執行機関に要請される可能性がある。暗号化はデータを守り、最終的には人々の生活を守る最善の方法だとAppleは述べる。
「ソフトウェアの今後のイノベーションは、機器のセキュリティが厳密に確保されることが基盤になる。何らかの形でこの保護を弱めることを許すと、進歩が遅くなり、全員が危険にさらされることになる」とAppleは主張する。
Appleは、公益を守ると誓った者にしか暗号化データを利用させないという提案は前提が誤っていると考えている。同社は、「暗号化は単なる数学」であり、暗号化を支える数学モデルを弱くすれば全てのユーザーの保護が弱まるだろうと述べる。
Appleは、暗号化とセキュリティに関する法案の「危険なほど曖昧な」条項も問題だとしている。
「過度に強力な権力によってサイバーセキュリティと暗号化が弱まる恐れがある」「適切かつ独立した司法による監督が欠けている」「技術要件の妥当性と実行可能性が政府の主観的見解に基づいている」などが曖昧さへの指摘だ。
こうした条項により、「政府がスマートスピーカーメーカーに、ユーザーの家庭に永続的な盗聴機能をインストールするように指示できるようになる」可能性や「医薬品プロバイダーに、薬剤使用の裏付けのために顧客の健康データを監視するよう求めることができるようになる」可能性があるとAppleは考える。
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