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2020年に「遠隔医療」と「健康の社会的決定要因の分析ツール」に注目が集まる理由:医療IT、2020年のトレンド予測【前編】
Forrester ResearchとFrost & Sullivanの調査は、2020年の医療ITのトレンドは「遠隔医療」と「健康の社会的決定要因を分析するツール」が支持を広げると予測する。その理由は何か。
2020年、米国の医療業界では医療費の低額化が最大の関心事になるだろう。医療機関の最高情報責任者(CIO)にとって医療費の低額化とは、患者が利用しやすく、個人に最適化された安価な医療サービスを実現する遠隔医療ツールや分析ツールへの投資を増やすことを意味する。
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2019年の医療ITトレンド予測を振り返る
医療機関のCIO向けに、2020年の医療ITトレンドに関する2つの調査会社の予測について解説しよう。調査会社Forrester Researchが着目するのは、医療改革と遠隔医療の増加だ。調査会社Frost & Sullivanは、「健康の社会的決定要因」(※注)を分析するツールが2020年に大きな役割を果たす可能性と、医療業界で人工知能(AI)に対する反発について予測する。前編となる本稿は、遠隔医療やデータ分析ツールなどの技術トレンドに注目する。
※注 健康の社会的決定要因(SDH:Social Determinants of Health)とは、健康状態を決定づける社会的な要素。例えば個人の所得、家族や友人などの社会的ネットワーク、自治体や職場などのコミュニティーとのつながりといった、経済状態や生活環境の良しあしを指す。
遠隔医療による診察の増加
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