セキュリティ製品を統合するオープンソース言語「OpenDXL Ontology」:各種セキュリティ製品が連携可能に
各社のセキュリティ製品が共通のメッセージフレームワークに準拠して情報をやりとりする。これにより各製品が自動的に連携して防御する。これを実現するのがOpenDXL Ontologyだ。
Open Cybersecurity Alliance(OCA)は、断片化が進むサイバーセキュリティをオープンソースソフトウェアやプラクティスを使ってつなぎ合わせようとするサプライヤーによって結成された。そのOCAが「OpenDXL(Data Exchange Layer)Ontology」プロジェクトを公開した。このプロジェクトの目標は、共通メッセージングフレームワークを利用して多様なセキュリティツールを結び付ける新しいオープンソース言語の開発だ。
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OCAはIBM SecurityとMcAfeeの呼び掛けによって2019年秋に結成された。OCAによると、この言語を使用する全ての製品は独自の統合を行う必要がなくなるという。このミッションでは、セキュリティにおける相互運用性を高めることを主なマイルストーンに位置付けている。
OpenDXLメッセージングフレームワークの初期開発はMcAfeeが担当した。さまざまなツール間の統合を開発して共有するために、4000を超えるサプライヤーや企業が既にこのフレームワークを利用している。
OCAは、OpenDXL Ontologyのリリースによってセキュリティ製品間の通知、情報、操作向けに単一の共通言語を提供できるようになると話す。この言語により、一度適用すれば自動的にどこでも再利用でき、新しい製品バージョンや機能に応じて統合を更新する必要のないツールセットがユーザーに提供される。
例えば、侵害された機器を検出するツールがあるとする。
例えば、侵害された機器を検出するツールがあるとする。そのツールが標準メッセージフォーマットを使って他のツールに侵害された機器の情報を自動的に通知することによって、その機器を隔離できる。これまでは、ITセキュリティチームとCISO(最高情報セキュリティ責任者)がプレッシャーを受けながら頭を悩ませ、製品間の複雑な統合を独自に行うことでしかこれを実現できなかった。
「OpenDXL Ontologyの導入により、堅牢(けんろう)で統一された防御線を設け、全ての種類のセキュリティツールを使って防御や保護を行いながら、各製品の情報を統合する負荷を軽減できる」というのがOCAの見解だ。
OCAは、OpenDXL Ontology以外に「STIX-Shifter」(セキュリティ用Pythonライブラリ)でも協力している。初期のコード開発をIBM Securityが行ったSTIX-Shifterは、セキュリティ製品向けにすぐに使える検索機能を提供する。OCAによると、何百人もの利用者が既にGitHubのSTIX-Shifterにアクセスし、多数のユーザーがプライマリーコードから新しいプロジェクトを分岐させている。当然、さらなる貢献者も歓迎するという。
OCAは同時に、メンバー企業のAT&T、IBM Security、McAfee、Packet Clearing House、Tripwireのリーダーを集めて、OCAの技術的方向性や発展を推進する運営委員会の新設も発表している。
「パブリッククラウドの導入とコネクテッドデバイスの急増により、企業は絶え間なく変化し、時には境界を越えて広がる技術にまたがる脅威に素早く対応できることが欠かせなくなっている。OCAはセキュリティを大規模にサポートするため、OpenDXL Ontologyによる相互運用性に切り替えるよう業界に働き掛けている」と話すのは、AT&Tでセキュリティプラットフォームのバイスプレジデントを務めるブライアン・レクスロード氏だ。
既に名前を挙げた以外にも、Advanced Cyber Security、Corsa、CyberArk Software、Cybereason、DFLabs、EclecticIQ、Fortinet、Indegy、New Context、ReversingLabs、SafeBreach、Syncurity、ThreatQuotient、Tufinなどが既にメンバーとして参加している。さらにArmis、Center for Internet Security、CyberNB、Dydarm、Gigamon、Raytheon、Recorded Future、sFractal Consultingも新たに加入している。
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