Wi-Fiの安全な相互接続を目指すWBA OpenRoaming:どこでもWi-Fiは実現するか
Wireless Broadband Allianceが、Wi-Fiを相互接続してWi-Fiネットワーク間を自由に行き来できるようにする取り組みを開始した。WBA OpenRoamingによって何が実現するのか。
Wi-Fi 6Eの登場に伴い、Wireless Broadband Alliance(WBA)はWi-Fiエコシステムを構成する全ての組織に対して、世界中で利用可能なWi-Fiのフェデレーション「WBA OpenRoaming」への参加を呼び掛けている。
WBAの目的は、グローバルなワイヤレスエコシステムにおいてWi-Fiを通じて「シームレス」に相互運用できるサービスエクスペリエンスを推進することだ。そのためにサービスプロバイダー、テクノロジー企業、その他ワイヤレスエコシステムに関わる組織の連携実現に尽力している。
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WBA OpenRoamingは、何十億台もの機器を自動的かつ安全にWi-Fiネットワークに接続できるようにすることを企図しており、世界標準に従ったアプローチによって公衆Wi-Fi接続の障壁を取り除き、ワイヤレスエコシステムの利便性とセキュリティを向上させる取り組みを行う。
WBAによれば、WBA OpenRoamingによってWi-Fiが簡素化され、携帯電話のローミングのようなエクスペリエンスが実現するという。WBA OpenRoamingに参加する企業のエンドユーザーは、他メンバーが管理するWi-Fiネットワークに自動的に接続できるという。つまり、Wi-Fiユーザーが再登録やサインインを何度も行うことなくネットワーク間を移動できるようになる。
WBA OpenRoamingのフレームワークと規格は、幾つかの重要な機能に基づいている。クラウドフェデレーションはネットワークとIDのグローバルデータベース、動的検出、WRIX(Wireless Roaming Intermediary Exchange:訳注1)によって実現する。サイバーセキュリティは公開鍵基盤とRadSec(訳注2)で構成され、証明書ポリシーや管理/仲介サービスを提供する。ネットワーク自動化は自動ローミングコンソーシアムフレームワークとポリシー、Wi-Fi CERTIFIED Passpoint(訳注3)によってサポートされる。
訳注1:Wi-Fiローミングに必要な情報を交換するためのフレームワーク。
訳注2:TCP/TLSでRADIUSデータを転送するプロトコル。
訳注3:Wi-Fiホットスポットの接続規格。
WBAは、企業や団体がWBA OpenRoamingに参加することで迅速かつ簡単に新しい商用ビジネスモデルや革新的なサービスを生み出すチャンスを得ることができると考えている。見込まれるユースケースは、大企業、コーヒーショップ、コンサート会場から、コネクテッドカーまで幅広い。
「Wi-Fiはもはやほぼ間違いなく、最も成功している無線技術になっている。世界的な標準やポリシーを取り入れることで、使いやすく、世界中で接続可能になり、公衆Wi-Fiを1つ上のレベルに引き上げることができる」と話すのはWBAのCEO、ティアゴ・ロドリゲス氏だ。
「WBA OpenRoamingは、あらゆるタイプの組織が独自のWi-Fiサービスを開発し、新しいビジネスチャンスを生み出すことができるオープンなフレームワークを作り出す。世界中のさまざまな場所、ベンダー、通信業者、IDプロバイダーがWBA OpenRoamingに参加してWi-Fi利用に革命を起こすことを歓迎する」(ロドリゲス氏)
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