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「モンスターVM」「ゾンビVM」とは? “遅い仮想マシン”の真犯人サーバ仮想化製品の5大課題【後編】

大容量の仮想CPUと仮想メモリを用いた「モンスターVM」や、休眠状態の「ゾンビVM」は、リソースの大量消費の原因となる可能性がある。こうしたVMが引き起こす問題と対処方法を説明する。

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 サーバ仮想化製品で仮想マシン(VM)を稼働させているときに、処理速度や応答速度が低下することがある。原因の一つが「モンスターVM」と「ゾンビVM」だ。「仮想マシンがフリーズした場合の対処法と、ネットワーク遅延の解消法」に引き続き、サーバ仮想化製品で発生しやすい問題とその解決策を説明する。

課題4.モンスターVM

 大規模なVMのことをモンスターVMと呼ぶ。モンスターVMは、おおむね8個以上の仮想CPU(vCPU)と255GB以上の仮想RAMで構成されたVMのことを指す。IT部門は高スペックのCPUとメモリが必要なアプリケーションを実行するために、モンスターVMを使用することがある。

 モンスターVMはハードウェアのリソース不足が原因となり、パフォーマンスの問題を引き起こすことがある。モンスターVMを管理するには、VMwareの「vRealize Operations」(vROps)といったVMの運用管理ツールを利用して、物理CPUとメモリの必要スペックを調査するとよい。

課題5.ゾンビVM

 ゾンビVMは、有用なタスクを実行せず、貴重なリソースを消費するVMのことだ。ゾンビVMは基本的に、自社で稼働するVMに対してIT担当者の管理が行き届かなくなることで発生する。こうした状況に拍車を掛けているのが、ITインフラの構築や運用の自動化だ。大量のVMを自動的に作成できるようになった結果、IT担当者が管理し切れないVMが出てくる場合がある。こうした状況はゾンビVMの温床になる。

 VMの管理にタグを使えば、管理者は複数のVMを簡単に追跡できるようになる。各VMの作成時に固有のタグを割り当てることで、VMの具体的な用途の判断に役立てることができる

 IT担当者はゾンビVMの候補を見つけても、すぐに強制終了してはならない。ゾンビVMではないVMの中には、普段アクティブではないVMがあるからだ。システムを綿密にモニタリングし、ゾンビVMの存在を特定したら、試験的にネットワークから切り離してディスクに移動し、停止しても問題が起こらないことを確認するとよい。


 サーバ仮想化製品は他にも、VMのパフォーマンスを低下させ、アプリケーションの稼働に影響する問題が発生することがある。VMwareのサーバ仮想化製品であれは、VMのパフォーマンスが悪化したらアプリケーションからゲストOS、VM、ハイパーバイザーの「VMware ESXi」、そしてハードウェアへと原因を特定できるまで掘り下げることができる。原因を突き止めたら、ESXiのコマンドラインやVMwareの運用管理ツール「vRealize Operations」(vROps)などのツールを使って対処することが可能だ。

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