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「vSAN」「Virtual Volumes」(vVols)の違いは VMwareのストレージ仮想化製品VMwareの主要製品を理解する【中編】

VMwareはSDDCを実現するためのさまざまな仮想化製品を提供している。その中からストレージ仮想化を実現する「vSAN」「VMware vSphere Virtual Volumes」と、運用管理の「VMware vRealize Suite」を取り上げる。

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 前編「いまさら聞けない『vSphere』『NSX-T Data Center』とは? VMwareの仮想化製品」に続く本稿は、VMwareのストレージ仮想化ソフトウェアと運用管理ソフトウェアなどを説明する。同社製品は、ソフトウェアによる構築や運用が可能なインフラ「ソフトウェア定義データセンター」(SDDC)の構築を目的とすることが特徴だ。

vSANとVMware vSphere Virtual Volumes(vVols)の違い

 「vSAN」と「VMware vSphere Virtual Volumes」(vVols)はストレージ仮想化ソフトウェアだ。サーバ仮想化ソフトウェアの「vSphere」と密接に連携する。IT管理者がvSphereでvVolsを有効にするには、vSphereの「Standard」エディションか「Enterprise Plus」エディションを購入する必要がある。vVolsはvSANほど普及していない。vVolsを利用できるサードパーティー製ストレージシステムが、vSANと比べて限られているためだ。

 vSANは、3台以上の物理サーバでグループを構成し、その物理サーバ群が内蔵するストレージを束ねて仮想ストレージシステムとして使用できる。仮想ストレージシステムに冗長化を適用することも可能だ。vSANはvSphereと組み合わせて利用するため、専用の物理的なストレージシステムを購入する必要がない。

VMware vRealize Suite

 vSphereとvSAN、vVols、ネットワーク仮想化製品「VMware NSX-T Data Center」があれば、IT管理者は基本的なSDDCを構築できる。ただし自動化ツールや適切な監視ツールがなければ、SDDCの管理は難しい。VMwareは、インフラ管理ソフトウェアの「vRealize Suite」を提供する。これにはインフラ管理自動化ツールの「vRealize Automation」と統合監視ツールの「vRealize Operations」、ログ管理ツールの「vRealize Log Insight」などのツールが含まれる。

 IT管理者はvRealize Automationを使うと、適切なネットワーク、セキュリティ、ストレージの構成でVMやコンテナを運用しやすくなる。vRealize Operationsは、オンプレミスインフラやクラウドサービスで稼働する物理サーバやVMの運用管理機能を提供する。vRealize Log Insightは、システムログを管理および分析し、vSphereのトラブルシューティングを支援する。

クラウドサービスでもVMware製品を利用可能

 IT管理者はVMware製品でSDDCを実装することを決定しても、どこから着手すべきか分からないといった事態に陥る可能性がある。VMware製品にはさまざまな種類があるからだ。SDDCの構築に着手しやすくするために、同社はサーバやネットワーク、ストレージの仮想化に必要な製品群を「VMware Cloud Foundation」という総合パッケージとして提供する。

 クラウドサービスとしてVMware製品を利用することも可能だ。この場合、IT管理者はハードウェアを購入する必要がない。データセンターを所有することさえ不要だ。インフラの調達や管理は、VMwareかそのパートナーであるAmazon Web Services(AWS)、Microsoft、Google、Oracleなどに任せることができる。この場合SDDCを実現する場所は、クラウドベンダーが所有するハードウェアになる。ユーザー企業のIT管理者は、自社のオンプレミスデータセンターで普段使っているツールでSDDCを管理することになる。

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