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「自作HCI」が「構築済みHCI」より“安い”とは言えないこれだけの理由限られた予算で「HCI」を構築【後編】

HCI導入を計画する際に十分な予算を確保できないときは、HCIを自前で構築することも選択肢になる。ただしその場合はメリットとデメリットを十分に踏まえておこう。落とし穴には注意が必要だ。

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 ストレージ仮想化ソフトウェア「vSAN」を使ったハイパーコンバージドインフラ(HCI)を、限られた予算内に収めるための観点を紹介する。

 まずはVMwareのハードウェア互換性リストに従う必要がある。コスト削減のために、NVMe(Non-Volatile Memory Express)準拠のフラッシュストレージ(NVMeストレージ)からHDDへの交換を検討する企業がある。だがNVMeストレージをHDDに交換すると、必要になるベンダーサポートが増えて長期的には高コストになってしまう可能性を否定できない。

HCIを自作する場合のメリットとデメリット

 ストレージなどのハードウェア調達の予算が限られている場合は、ハードウェアの新規購入を遅らせる必要がある。そうする代わりに、最初に導入する際にリソースに余裕を持たせておく選択肢もある。そうすれば、既存のハードウェアを交換しないでストレージの容量を増やすことができる。

 ベンダーによる構築済みのHCIアプライアンスではなく、HCI用のソフトウェアを使って自前でHCIを構築することも可能だ。予算が限られている場合は、自作することで過度なリソースのプロビジョニング(配備)や不要な機能をなくし、コストを抑制できる。

 ただし注意点もある。自作する場合は、構築済みのHCIアプライアンスが提供する代表的な機能をそのまま再現できない可能性が残る。

 ハードウェアとソフトウェアを独自に組み合わせてHCIを自作すると、将来的に苦労する恐れもある。例えばコンポーネントの追加が簡単ではない点だ。HCIソフトウェアを利用できるハードウェアを用意していても、HCIを構築するにはソフトウェアやハードウェア間の互換性や連携が必要だ。これが原因で、HCIアプライアンスよりも自作の方が、拡張や設定変更の際により多くの時間や労力を必要とする可能性がある。断片的なやり方をすると、HCIアプライアンスでは発生しない個々のコンポーネントに起因する問題を引き起こすことも考えられる。

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