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Appleが「MacBook Pro」で復活させた“待望のあれ”と、見限った“不評のあれ”ユーザーの「ほしい」「要らない」を反映

「MacBook Pro」の新製品でAppleは、かつてユーザーに愛用されていた機能を復活させ、不評だった機能を廃止した。何が加わり、何が去ったのか。同社はユーザーの心をどうつかもうとしているのか。

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 Appleは2021年10月18日(米国時間)に発表したノート型デバイス「MacBook Pro」の新製品で不評だった機能を廃止するとともに、しばらく廃止していた機能を復活させた。強力なチップも搭載し、処理速度などのパフォーマンスの向上を図っている。生まれ変わったMacBook Proによって新規ユーザーの獲得を狙う。

 MacBook Pro新製品はディスプレイが14.2型の「14-inch」(14インチ)モデル(米国のApple公式サイトでの価格は1999ドルから)と16.2型の「16-inch」(16インチ)モデル(同2499ドルから)をラインアップ。いずれもAppleが独自開発したArmアーキテクチャベースSoC(プロセッサなどシステムの構成要素を1つのシリコンチップに集約した製品)「Apple M1」の進化版である「Apple M1 Pro」と「Apple M1 Max」を搭載した。新たに、USB4に準拠した高速データ伝送技術「Thunderbolt 4」も採用している。

ユーザー待望の“あの要素”を復活 不具合で不評の“あれ”は廃止に

 AppleがMacBook Pro新製品で復活させた要素として、HDMIポートやSDメモリカードスロット、マグネット着脱式によって本体の落下を防ぐ充電器「MagSafe」がある。一方で廃止したのは小型タッチディスプレイ「Touch Bar」やバタフライキーボードだ。同社は薄くて持ち運びやすい設計を追求したキーボードとして、2015年モデルのMacBook Proからバタフライキーボードを搭載していた。だが不具合が発生することがあり、ユーザーからは不評だった。

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写真 MacBook Pro新製品は14インチモデルと16インチモデルを用意(出典:Appleのプレスリリース)《クリックで拡大》

 MacBook Pro新製品の発表を受け、短文投稿サイト「Twitter」では機能の復活と廃止に賛同する投稿が相次いだ。調査会社Gartnerは「MacBook Pro新製品からAppleがユーザーの声に耳を傾け、満足度を高めようとしていることが読み取れる」と説明する。Gartnerによると、2021年第3四半期(7月〜9月)の世界PC市場でAppleは8.8%のシェアを獲得。前年同期比0.5ポイント増えた。同社は自社製品の人気を生かし、きめ細かくユーザーの声を反映させたMacBook Pro新製品をけん引役に、シェアの拡大を目指すとみられる。

 調査会社IDCのアナリストを務めるライアン・リース氏によると、MacBook ProはAppleのクライアントデバイスの売り上げ構成で大半のウェイトを占める。グラフィックスを作成したり、動画を編集したりするクリエイティブ分野に加え、大量データを処理する分析専門家からも支持を集めているという。

 Appleによると、MacBook Pro新製品に採用したM1 Proは337億個のトランジスタを搭載。最大200GB/sのメモリ帯域幅(データ転送速度)を提供するとともに、最大32GBのユニファイドメモリ(メインプロセッサとグラフィックスプロセッサの両方からアクセスできるメモリ)を備えている。570億個のトランジスタを搭載したM1 Maxは、最大400GB/sのメモリ帯域幅を提供、最大64GBのユニファイドメモリを備える。

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