AWS、Google、Microsoftではない“あの企業”がデータセンターのけん引役だった:急成長する「ハイパースケールデータセンター」【前編】
「ハイパースケールデータセンター」の市場が世界的に増加傾向にあることが、調査会社Synergyのデータで明らかになった。市場をリードするのはどのベンダーなのか。
調査会社Synergy Research Group(以下Synergy)は、大規模な電力容量と広大なスペースを提供する「ハイパースケールデータセンター」の設置状況に関する調査データを2021年11月に公開した。ハイパースケールデータセンターの施設数、電力容量の合計は世界的に増加傾向にあるという。
Synergyは調査で、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft、Google、Meta(旧Facebook)、IBMなどを含め、クラウドサービス事業者やインターネットサービスプロバイダー(ISP)19社のデータセンターの設置状況を分析した。
ハイパースケールデータセンターのけん引役は“あのベンダー”だった
Synergyはハイパースケールデータセンターの施設数に関するレポートを定期的に出してきた。同社は新たに、電力容量も調査対象にした。そのデータによると、2021年第3四半期(7月〜9月)は世界で700カ所のハイパースケールデータセンターが稼働しており、そのうち半分弱の49%が米国にある。
ハイパースケールデータセンターの施設数は増加を継続する一方で、電力容量はそれを上回るペースで増加しているとSynergyは指摘する。同社の調査によると、ハイパースケールデータセンターの施設数が2倍になるには5年かかったが、電力容量が2倍になるには4年もかからなかったという。
電力容量の増加をけん引するのは米国ではない。勢いを増しているのは、ByteDance、Alibaba Group Holding、Tencent Holdingsなど中国のベンダーだということも調査で明らかになった。
Synergyの調査によると、世界のハイパースケールデータセンターの15%が中国にある。その他の地域はAPAC(アジア太平洋)が13%、EMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)が19%、カナダおよびラテンアメリカが4%となっている。
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