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企業がMacを導入する際に知っておくべきことPCとは何が違う?

Macを導入する企業が増えている。だが、PCとMacを両方運用するのであればそのための準備が不可欠だ。

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 コロナ禍によってテレワークが普及し、それによってセキュリティサービスと端末の選択肢を増やすことになった。

 この結果として、企業の「Mac」利用が増加した。IDCの推定によると、企業のエンドポイントの23%がMacになった。

 MacはPCよりも高価だと考えられていた(訳注)。Macは高コストをいとわないクリエイティブ業界がターゲットだと認識されていた。周辺機器も高額だと見なされていた。「Studio Display」と「Thunderbolt 4」外付けドライブは他のオプションよりも高額になるかもしれない。機器の修理はApple認定業者に限定され、価格が指定される可能性がある。

訳注:狭義の「PC」は「IBM PC/AT互換機」を意味し、Macは含まれない。

 こうした想定の多くは現実とは合わなくなっている。AppleとForrester Researchは2021年、Macの総所有コストレポートを作成した。同レポートは、3年間で1エンドポイント当たり843ドル(約11万4000円)の削減になることを明らかにした。レンダリングなどをターゲットにする機器は高額になるかもしれないが、標準的なMacの価格と管理コストはミッドレンジやハイエンドのWindows機器と変わらない。

 Macは生産性に好影響をもたらすとユーザーは言う。IBMの発表によると、従業員はMacの方が生産性が高いと感じており、Macを利用する従業員はWindowsを利用する従業員よりも「ネットプロモータースコア」(顧客推奨度)が高いという。

サポート、パッチの適用、サポートの終了

 Apple製品の管理方法を理解していれば、管理のオーバーヘッドは低くなる。前述のレポートは、長期的にはエンドポイント管理の関連コストが削減される可能性を指摘している。

 一方で、IT管理者がMacについて把握しなければならないポイントが幾つかある。

 MicrosoftはOSのサポート終了日を明確にしている。だが「macOS」は全体像がそれほど明確ではない。

 OSのアップデートが提供される期間も問題になる。これについて問い合わせると、「最も安全なのは最新バージョンだ」というのがAppleの公式見解だ。実際には、macOSは全アップデートが1年間は提供され、その後最大2年間はメンテナンスとセキュリティのアップデートが提供されることが多い。旧バージョンのmacOSでも、問題が深刻ならばこの期間を過ぎてもセキュリティアップデートが提供される可能性がある。

 だが、アップデートが提供されるかどうかはAppleの判断に委ねられる。それが事前に通知されることはない。サポート終了日を前提に長期計画を立てることに慣れている管理者は、こうした不確実性を不快に感じるかもしれない。

 アップデートの適用方法もWindowsとmacOSでは異なる。Windowsでは、ツールによってアップデートプロセスの適用と追跡が容易になっている。

 macOSでは、アップデートに関する制御の大半がユーザーに委ねられる。アップデートをインストールするかどうかを決めるのはユーザーだ。管理者が一元的に適用することも可能だが、それは残酷な結果をもたらすかもしれない。一元的な適用では即時アップデートが実施され、ユーザーには作業を保存するチャンスがない。予告のないスイッチオフは、柔軟な働き方が求められている状況では逆効果になる可能性が高い。

 Appleはこうしたアプローチを緩和し、適切な通知と遅延のオプションを増やしている。だが、アップデートによって未保存の作業が失われたり旧バージョンのmacOSに必要なアップデートが適用されないままになったりしやすいことに変わりはない。

 これは問題を招きかねない。一例として、1276日間もアップデートしなかったユーザーがいた。言い訳ではなく本当に忙し過ぎてアップデートできなかったのだ。最終的には管理者がMacを取り上げてアップデートした。だが、その調整には物理的な対応と事業スケジュールの隙間が必要だった。

 Macのアップデート管理には、Windowsとは異なるアプローチが要求される。IT部門はPCとMacを別に管理しなければならない。長期的にはコストが高くなる可能性がある。対応策がないと、Macの方が高価だという風説が現実になるかもしれない。

事前計画

 理想的には、PCとMacの統合を試みるべきだ。利用するmacOSのバージョンの種類を減らすのも一つのアプローチだ。これによってサポートが容易になり、潜在的なセキュリティリスクが減少する。

 PCとMacの管理にそれぞれ異なる戦略とツールを使うのではなく、統合する方法を検討する。

 次に、アップデートの展開と管理の方法を検討する。アップデートの実行をユーザーに委ねる場合は、ユーザーへの通知とユーザーの意識向上が不可欠だ。アップデートをいつ、どのように適用するかユーザーに通知できるようにし、通知を管理する方法も検討しなければならない。これには明確な線引きが求められる。適切な対応をユーザーに促し、期限前に対応を迫る必要がある。

 Macが増えれば異なる作業負荷が掛かる。だが、適切にアプローチすれば作業が増えることはない。

 IT部門には従業員の仕事を支援する役目もある。長期に及ぶほどこうした支援が重要になる。Forresterのレポートによると、Macを利用する従業員が会社にとどまる可能性は20%向上している。

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