「スマホで監視」よりも深刻? デジタル化が生んだ“真の課題”はこれだ:「何でもデジタル」は“薬”か“毒”か【後編】
デジタルデバイスやオンラインサービスは生活に便利さをもたらす一方で、新たな懸念も生んでいる。消費者の不安に対して、企業が配慮すべきポイントは。専門家に聞いた。
コンサルティング会社Deloitte Developmentは2022年8月に調査レポート「Connectivity and mobile trends」2022年版を公開した。同調査は2022年第1四半期(2022年1〜3月)に米国の消費者2005人を対象にオンラインで実施。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)によって変容した生活の中で、スマートフォンをはじめとするデジタルデバイスやオンラインサービスが、生活に好影響を与えていると感じる回答者の姿を浮き彫りにしている。一方でデジタルデバイスの利用やオンラインサービスに対する懸念の声もあった。
「スマホで監視」よりも深刻な“真の課題”とは?
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回答者の念頭にあるのはセキュリティやプライバシーの問題だ。回答者の50%は、個人情報の漏えいといったセキュリティ侵害を心配し、41%は自分のデジタルデバイスを通じて行動を監視されることを懸念していた。スマートホーム利用者の49%は、自分のデジタルデバイスが「乗っ取られる」ことが心配だと答えている。
「パンデミックは一夜にして私たちのデジタルツールや技術の使い方を激変させた」とジャナ・アルバナス氏は語る。アルバナス氏はコンサルティング会社Deloitteのバイスチェアで、米国の通信・メディア・エンターテインメント事業を率いている。
アルバナス氏は、デジタルデバイスやオンラインサービスの利用に伴う疲労感や、デジタルデバイスの管理の煩雑さに関する不満が依然として存在し、消費者にとって「真の課題」になっていると指摘する。「ベンダーはこの問題を心にとどめ、デジタルデバイスのコントロールや制限をしやすくする必要がある」(同氏)
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