“テレワークぼっち社員”の孤立を深める管理職のNG行動集:テレワーカーを孤立させないための8つの方法【第4回】
マネジャーの振る舞い一つで、テレワーク中の従業員の孤独感を高めたり、孤立を深めたりする可能性がある。望ましい行動と避けるべき行動をそれぞれ紹介する。
テレワーカーが孤独感を覚えたり、孤立状態に陥ったりして生産性が下がる――。こうした状況を防ぐために、人事責任者をはじめとする経営幹部は、どのような支援を提供できるのか。本稿は従業員の孤独感や孤立状態を解消するための8つの方法のうち、4つ目を紹介する。
4.管理職に「やってはいけないこと」を理解させる
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連載:テレワーカーを孤立させないための8つの方法
- 第1回:テレワークが生む“ぼっち社員”問題を放置してはいけない理由
- 第2回:テレワークで生まれた“ぼっち社員”を救う「EAP」とは?
- 第3回:“テレワークぼっち”問題を解消する「雑談力」と「褒める力」とは?
テレワーク関連の注目トピック
経営幹部は、ストレスを感じている従業員の支援方法を、マネジャーにいま一度思い起こしてもらう必要がある。場合によってはマネジャーに対する追加の研修も必要になる。
米国精神医学会財団(APA Foundation)のワークプレース・メンタルヘルス・センターでディレクターを務めるダーシー・グラッタダロ氏は「経営幹部はマネジャーに対して、直属の部下との面談時に共感的な態度を取るように促すべきだ」と話す。マネジャーはプロジェクトの進捗(しんちょく)や次のデッドラインにばかり目を向けるのではなく、まずは「最近の調子は?」と声を掛けるなど、従業員の状態を探ることが望ましい。
「マネジャーは素直に気持ちを言葉にする必要がある」と、グラッタダロ氏は訴える。例えば、ある大企業のマネジャーは、会議の最初にまず自分が心境を語り、その上でメンバーにも話をするように促す。マネジャーが気持ちを明かすことで、「テレワークにストレスを感じていても大丈夫だ」と従業員に安心してもらう。それをきっかけに皆が感情を表に出せるようになることがある。
グラッタダロ氏はこうした取り組みを「面談の新しい形だ」と話す。自分の弱い部分を明らかにして、他の人も自分が抱えている気持ちを共有できるようにする方法だ。
マネジャーの不健全な振る舞い
経営幹部は、従業員のメンタルヘルスにマイナスの影響を与えかねないマネジャーの行動にも目を光らせなければならない。不健全な振る舞いは幾つもある。「マネジャーは学習によって、自分の不健全な振る舞いに気付けるようになる」と、トム・オックスリー氏は話す。オックスリー氏はBamboo Mental Healthという屋号で、企業向けのメンタルヘルス研修支援をしている。
マネジャーの不健全な振る舞いには、例えば次のようなものがある。
- 日曜日の夜に部下にメールする
- 部下に重要な先約があると知りながら、別の任務をすぐに完了するよう要求する
- 部下の意見に耳を貸さない
「経営幹部は、マネジャーがこのような振る舞いをした場合の適切な対処方法を定めるべきだ」とオックスリー氏は言う。メンタルヘルスの問題を抱える従業員を支援しないマネジャー、なんらかのハラスメント(嫌がらせ)やいじめをしているマネジャーを企業が罰することも「場合によっては必要だ」とオックスリー氏は話す。
第5回は、従業員の孤独感や孤立状態を解消する8つの対処法のうち、5つ目を紹介する。
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