画像生成AI「Stable Diffusion」を美容に使った“なるほどの活用例”とは?:AI×ファッションの可能性【中編】
あらゆる業界でAI技術導入の機運が高まり、ビジネスの在り方が大きく変わろうとしている。生成AIを活用して顧客体験(CX)を進化させた、美容企業の取り組みを紹介する。
スマートフォンやタブレットなどの端末で、仮想的に服の試着や化粧のシミュレーションをする――。身近になりつつあるこのような場面で、AI(人工知能)技術やAR(仮想現実)が活用されている。
2023年12月に開催されたカンファレンス「AI Summit New York 2023」では、美容関連の技術サービスを企業や個人向けに提供するPerfectが登壇。画像生成AI「Stable Diffusion」の活用をはじめ、AI技術でファッション業界の顧客体験(CX:カスタマーエクスペリエンス)を進化させる同社の取り組みを紹介した。
画像生成AI「Stable Diffusion」を使った“あのアプリ”
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連載:AI×ファッションの可能性
AIの活用事例を紹介
Perfectは、コスメブランドEstee Lauderと提携している。Estee LauderのWebサイトでは仮想メーキャップ(化粧)サービスが使用でき、ユーザーはEstee Lauderの化粧品を端末で仮想的に試し、色味や質感を見ることができる。
このサービスを支えるのが、Perfectの顔面トラッキングシステム「AgileFace」だ。AI技術でユーザーの顔を精密に分析し、リアルタイムで自然な仮想メーキャップ体験を実現する。
Perfectは、AI技術を活用したヘアスタイルシミュレーターも提供している。このヘアスタイルシミュレーターの特徴は、画像生成AI「Stable Diffusion」を活用した生成機能にある。既存のヘアスタイルから選ぶことが一般的だった従来のシミュレーターとは異なり、このヘアスタイルシミュレーターは、ユーザーがヘアスタイルや長さについて生成AIにプロンプト(情報生成のための質問や指示)を出すと、そのヘアスタイルを再現してくれる。
大手消費財メーカーUnilever(ユニリーバ)が所有するヘアケアブランドTRESemmeも、同様のヘアスタイルシミュレーターを提供している。
次回は、AI技術を活用した肌診断サービスについて紹介する。
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