脱Windowsを「Chromebook」で果たす“とっておきの方法”:ChromeOSでWindowsアプリ継続【前編】
Windows搭載のPCを使ってきたものの、ハードウェアのコストを削減したり操作性を軽くしたりしたい場合には、「Chromebook」が選択肢の一つになる場合がある。具体的に解説しよう。
GoogleのクライアントOS「ChromeOS」を搭載した端末である「Chromebook」は、動作も管理負担も比較的軽いシンクライアント端末として使うことができる。MicrosoftのクライアントOS「Windows」搭載のPCからChromebookに移行することで、ハードウェアのコストを削減するなど幾つかの利点を得られる可能性がある。その利点を享受しながら、Windows向けのアプリケーションを使い続けるにはどうすればいいのか。
Chromebookで「脱Windows」をする“安心の方法”はこれだ
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WindowsからChromebookに移行することで、ハードウェアのコスト削減や、Windowsの更新プログラム適用の手間を削減することができる。そうした利点を見込んで、Chromebookへの移行を検討している企業がある。移行を検討する企業は、その他にもデスクトップ版アプリケーションの導入や運用にかかる手間、ライセンス費用の削減などを期待する。
Microsoftはオフィススイート「Microsoft Office」のWeb版を提供しているが、それにはデスクトップ版のような豊富な機能がない。Chromebookへの移行を実行する場合の検討事項になるのは、どうすればMicrosoft Officeなどのデスクトップ版アプリケーションをChromebookで使えるのかという点だ。アプリケーション仮想化ソフトウェアベンダーCameyoの同名ツールのような、サードパーティー製のアプリケーション仮想化ツールを使用することが選択肢の一つになる。
表計算ツール「Google Sheets」(Googleスプレッドシート)、文書作成ツール「Google Docs」(Googleドキュメント)のようなWebツールは、Microsoft Officeの代替ツールになる。実際、IT管理者はコスト削減や利便性のために、こうしたツールの使用を社内で推奨していることがある。ただしこれらはMicrosoft Officeのデスクトップ版アプリケーションとは使用方法が異なる。そのため使い方に関するレクチャーを従業員に提供しなければならないことがしばしばある。Google SheetsやGoogle Docsが、Microsoft Officeの機能の全てを代替できるわけでもない。
企業が異なるベンダーのアプリケーションを導入するのはよくあることだが、それには幾つかの課題が付き物だ。アプリケーションの管理や、使い方に関するトレーニング実施の手間、ユーザーエクスペリエンス(UX)の差異による生産性の低下、トラブル対応にかかる負担などがよく挙がる。アプリケーションが多様化することに加えて「BYOD」(私物端末の業務利用)があると、セキュリティリスクが拡大する可能性がある上、管理がさらに複雑になる問題が生じる。
こうした課題を前提にすると、端末をChromebookに移行する場合には、使い慣れたアプリケーションの利用を継続することと、管理をできるだけシンプルにすることが非常に重要な観点となる。上述のCameyoのようなアプリケーション仮想化ツールを使用することで、そうした条件を満たせる可能性がある。
Cameyoは、ChromebookでMicrosoft Officeのデスクトップ版を使用するための機能として「Virtual App Delivery」(VAD)を提供している。これを使うことで、Chromebookのシンプルな端末に移行しつつ、Windowsで使い慣れた、かつ機能が充実しているオフィスアプリケーションのデスクトップ版を使うことができるのだ。
次回は、ChromebookでWindowsのアプリケーションを実行するための機能をより詳しく解説する。
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