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CLIやGUIとは根本的に違う「NUI」とは? どんな「UI」なのかシステムとの“自然な対話”の未来【前編】

新しいユーザーインタフェース「NUI」が注目を集めている。従来のUIよりも直感的な操作を可能にするNUIは、何を目指しているのか。人とシステムの新しい関係を探る。

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 ユーザーインタフェース(UI)とは、エンドユーザーがシステムを操作するための仕組みを指す。PCのデスクトップやマウスによるカーソル操作はUIの代表例だ。

 そのUIの新たな仕組みとして、エンドユーザーとシステムのインタラクション(やりとり)を可能な限り直感的にする「ナチュラルユーザーインタフェース」(NUI)が広がりつつある。コマンドラインインタフェース(CLI)や、グラフィカルユーザーインタフェース(GUI)といった従来のUIと、NUIの間にはどのような違いがあるのか。

「CLI」「GUI」と「NUI」の“根本的な違い”とは?

 NUI登場以前は、UIといえばCLIやGUIだった。これらのUIは、もちろん今でも使われている。

 CLIは初期に生まれたUIだ。キーボードを使ってテキストのコマンドを入力することでシステムを操作する。一般的に、スクリプト(簡易プログラム)や自動化タスクの実行に使用する。CLIで実行するためのコマンドを記述するには、専用の言語と構文が必要なため、エンドユーザーの学習曲線は険しい。一方で、メモリやグラフィックス処理能力といったシステムに要求されるリソースは比較的少ない。

 GUIはCLIよりも直感的なUIだが、システムに要求されるリソースはCLIよりも多くなる。「アイコンをクリックしてファイルを開く」操作は、GUIの一例だ。GUIでソースコードや構文を覚える必要はない。GUIは、現在ほとんどのPCが搭載するOSの標準的な操作方法だ。

 これらに続く新しいUIがNUIだ。NUIはCLIやGUIといった従来のUIとは設計思想が異なり、エンドユーザーとのインタラクションをできるだけシンプルで自然なものにすることを目指している。エンドユーザーがどのような方法でシステムに指示を与えるのかを考える必要をなるべく減らし、ジェスチャーや音声、生体認証情報を通じて、システムとの自然なやりとりを可能にする。ただしNUIは、CLIやGUIと比べて、システムに要求するリソースが多い。

 NUIでは、エンドユーザーはタッチ、ジェスチャー、音声、目の動きなど、さまざまなアクションを使ってシステムを操作できる。以下に例を挙げる。

  • ファイルを開く際に、ファイルをクリックするのではなく、「このファイルを開いて」と口に出して指示する
  • ウィンドウを閉じる際に、「×」ボタンを押すのではなく、画面をスワイプする

 次回は、今後NUIがUIとしてどのような存在になる可能性があるのかを紹介する。

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