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ExcelとWordのAIエージェントは何ができる? GoogleやOpenAIとの違いを解説指示1つで資料の完成までを自動化

Microsoftは、Microsoft 365 Copilotに「Agent Mode」と「Office Agent」を追加したと発表した。競合企業が次々とAIエージェントを発表する中、同社はどのような機能を提供するのか。

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 Microsoftは9月29日(米国時間)、Microsoft Officeアプリケーション用AI(人工知能)アシスタント「Microsoft 365 Copilot」に「Agent Mode」「Office Agent」を搭載したと発表した。

 1つの指示に沿って1つの作業を実行するのではなく、1つの指示から複数の作業を実行し、結果の検証、修正までを自動で進め、最終成果物を仕上げるのがAgent Modeの特徴だ。

Agent Modeで何ができる?

 Excelでは、売り上げデータの可視化や財務分析レポートの自動作成が可能だ。Microsoftによれば、スプレッドシート編集能力を評価するベンチマーク「SpreadsheetBench」では、人間の71.3%に次いでExcel Agent Modeが57.2%の精度を達成している。

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SpreadsheetBenchの結果(提供:Microsoft

 Wordでは、Copilotと対話しながら文書作成を進められるのが特徴だ。月次報告書の更新やプロジェクトの要約、ドキュメントの書式統一といった作業を、ユーザーの指示に従ってCopilotが自動的に実行する。

そもそも「Office Agent」とは?

 Office Agentは、Copilotのチャット画面に入力された指示からPowerPointのプレゼンテーションやWord文書を生成する機能だ。ユーザーの要望を聞き取り、必要に応じてWeb調査を実施、論理構成や品質検証を経てプレゼンテーションや文書を作成する。

 Agent Modeは、最新のAI機能を一般提供前に体験できる「Frontier program」の参加者向けに、ExcelとWordで提供が始まった。

今後の展望と競合の動きは?

 MicrosoftがAgent Modeを打ち出した背景には、AIアシスタントの高度化と競合間の開発競争がある。Googleは同社の生成AI「Gemini」を中核に据え、「Google Workspace」におけるドキュメント作成やスプレッドシート処理を自動化する取り組みを強化している。同社は、Gemini 2.5 ProやDeep Thinkといった長文推論モデルを用い、より複雑なタスク処理やマルチステップ推論に対応できるよう進化させており、こうした取り組みはエージェント的な機能開発にもつながると見られている。

 OpenAIは、同社のAIサービス「ChatGPT」に新機能「エージェント」を追加した。これは、Microsoft 365 CopilotのAgent Modeと同様に、複数ステップのタスクを自動的に進められる仕組みだが、外部サービス連携を前提とする点などアプローチに違いがある。

 AIが、作業を補助するアシスタントから自律的に作業を実施するエージェントへと進化する流れは加速している。ユーザーにとっては、どのプラットフォームが実務に最もフィットするかが、今後の選択のポイントになりそうだ。

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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。

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