AIに“抵抗感あり”45% 人材と組織の準備不足が活用を妨げる――キンドリル:85%が「人材の準備は不足している」と回答
キンドリルジャパンは、人工知能(AI)活用の準備状況を調査した。調査結果からは、AIへの投資と、AIを使う人材の準備の間に存在するギャップが明らかになった。
キンドリルジャパンは2025年10月2日、「People Readiness Report 2025」の日本語版を公開した。同調査は25業界、8地域の企業に勤める経営幹部、テクノロジー責任者1000人超を対象に、人工知能(AI)活用の準備状況を調査し、結果をまとめたものだ。
企業は何の目的でAIを使っている?
調査からは、AIへの投資は進む一方、AIを活用する従業員の準備が追いついていない企業の実態が浮き彫りとなった。
調査結果によると、95%の企業が「自社のさまざまな分野でAIを活用している」と答えた。一方、AIの活用する際の課題として、「自社の従業員がAIを効果的に活用する準備ができていない」(71%)、「自社でAI技術を管理できるスキルを持った従業員が不足している」(51%)、「従業員の大半はAIの利用に抵抗を感じている、敵対的である」(45%)が上がった。
日本独自の調査では、「自社の製品やサービスにAIを組み込んでいるか」について尋ねた。その結果、日本企業の28%が「組み込んでいる」と回答。グローバル平均の21%を上回る結果となった。この結果についてキンドリルジャパンは、「日本企業では、顧客向けの製品やサービスの開発をはじめとした社外向けの用途で、AI技術の活用がより進んでいる」と分析している。
一方、「自社のさまざまな分野でAIを活用しているか」を尋ねた結果、「活用している」と答えた日本企業は89%で、グローバル平均の95%を下回った。
本調査では、企業のAI導入を左右する障壁の解消とビジネスでのAI活用を両輪で進める「AIリーダー企業」の存在が紹介された。キンドリルジャパンによると、AI導入を妨げる障壁を解消する取り組みとして、AIリーダー企業の93%が「チェンジマネジメント戦略を策定し、実行する」と答えた。他に、「従業員の現在のスキルを正確に把握するためのツールとプロセスを備えている」(70%)があった。
キンドリルジャパンの劉功義氏(技術理事)は「人材育成を軽視する企業はAIによる成長機会を逃す」と強調する。同社最高技術責任者(CTO)の河合琢磨氏は「経営陣の意思統一とテクノロジー戦略の整合こそが、AIを利用するメリットを最大限に引き出すためにリーダーが取るべき最も重要な行動だ」と述べている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。