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AIエージェントは早くも淘汰の時代 Gartnerが供給と需要のギャップ指摘生き残り“条件”は

調査会社GartnerはAIエージェント関連製品の供給が需要を上回っているとみている。このギャップはAIベンダーやユーザー企業に、どのような影響をもたらすのか。

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人工知能 | Gartner


 Gartnerは2025年10月7日(米国時間)、ビジネスのさまざまなタスク実行を自動化するAIエージェントについて、AIモデルやインフラといった関連製品の「供給が需要を大幅に上回っている」との見解を発表した。そのため、今後、AIベンダーの統合を軸にした市場再編の可能性があるという。どういうことなのか。

AIベンダーの生き残り戦略と、ユーザー企業にとっての「恩恵」

 Gartnerシニアディレクターアナリストのウィル・ソマー氏によると、AIエージェントを巡る市場の統合と修正は、新しい製品のライフサイクルにおいて避けられない動きであって、経済危機を意味するものではない。こうした中、同氏は「製品力や資金力が弱いAIベンダーが淘汰されるとともに、大手AIベンダーが優位性を確立する」と見込んでいる。ユーザー企業から見ると、市場再編は長期的に、AIエージェント関連製品がより使いやすくなったり、ビジネスニーズに合ったりすることにつながる可能性があるとソマー氏は説明する。

 AIエージェント関連製品の供給が需要を上回る構図を、Gartnerは「エージェンティックAI採用ギャップ」と呼ぶ。過去にはエネルギーや通信、AI以外のIT分野において同様の動きがあって、将来、市場に安定的な成長をもたらす「健全な調整」(同社)だという。

 Gartnerによると、すでに大手AIベンダーによる小規模AIベンダーの買収が進んでいる。生き残り戦略として、特定の業界に最適化された大規模言語モデル(LLM)の開発など、製品の価値向上が焦点になる。

 2025年10月2日(米国時間)にGartnerが発表した調査によると、人間の監督を必要としない「完全自律型AIエージェント」の検討や導入を進めている企業は15%にとどまっている。AIエージェント関連製品の相次ぐ登場とは裏腹に、導入には精度や使い勝手に関する障壁が残っているようだ。

 日本でもAIエージェント関連製品の投入が活発だ。例えばNTTデータは、複数エージェントの組み合わせで高度なタスク実行を可能にする他、ユーザーの特性を学んで指示の意図に関する理解を深めるAIエージェント用インフラ「LITRON CORE」を2025年10月3日に発売した。富士通はNVIDIAと手を組み、AIのデータ処理能力を引き出しやすくする技術を共同開発する方針を打ち出している。

 AIベンダーは独自性の強い製品や高性能な製品に注力し、ユーザー企業の導入意欲を高めることが求められる。

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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。

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