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”Gemini 3、AI Studio、Antigravity、Nano Bananaはどうすごい?”を 3分で解説:あの公式動画をサクッと理解する
大手ベンダーが発表する公式動画を見たい、しかし時間がない、英語だから難しそう。そんな忙しいユーザーに向けて、サクッと動画を理解できるコンテンツを紹介する。
Google DeepMindチームの開発者リレーションズを統括するペイジ・ベイリー氏は2025年11月27日(米国時間)、同社のAI(人工知能)モデル「Gemini 3 Pro」、AIネイティブなIDE(統合開発環境)「Anti-gravity」、画像生成AIモデル「Gemini 3 Pro Image」(通称:Nano Banana Pro)といった主要なAI技術群を解説する動画を「The Agent Factory Podcast」で公開した。The Agent Factory Podcastは、AIエージェント開発をテーマにしたGoogle Cloudの開発者向けポッドキャストシリーズだ。
動画のポイントを30秒で理解
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AIの最新動向をおさらい
- Gemini 3 Proは、従来の推論・計画能力に加え、コード能力とアクション実行能力を劇的に向上させた、エージェント型ワークロードに最適なモデルである。
- AI開発プラットフォーム「Google AI Studio」の「Build機能」やAnti-gravityによって、アイデアの説明から既存コードの再設計、エラーの自動修正まで、開発プロセスの多くのステップがAIによって支援される。
- Gemini 3 Proは、AIエージェントが自律的に経済活動を進め利益を創出する能力を測定するベンチマーク「Vending-Bench」で、年間約5500ドル前後の収益を生み出せる能力があると評価された。この評価は、Gemini が持つ複雑な経営判断や長期間にわたるビジネスにおける意思決定能力が飛躍的に向上したことを示すものだ。
3分で分かる要点まとめ
- Gemini 3は、マルチモーダル理解(Gemini 1)と推論・計画能力(Gemini 2)の進化の上に構築された第3世代モデルである。
- モデルのトレーニングは、インターネット上の大規模データや合成コードを活用する事前トレーニング、ツールの使用やウェブサイト編集のマルチターン会話などの事後トレーニングを組み合わせて実施される。
- AI StudioのBuild機能を使えば、ユーザーが入力したプロンプトに基づき、UIフレームワーク「React」「Angular」を使ったアプリケーションが生成可能だ。スマートフォンをはじめとしたPC以外のデバイスから簡単にアクセス、利用できるようになる。
- Nano Banana Proは、高解像度(1K、2K、4K)の画像生成モデルであり、実在の建物の正投影図の生成や、詳細な物理学説明図を高信頼性で生成できる。
何が新しい? 何が変わる?
- 複合的なアーキテクチャの実現
- 外部ツールや関数の選択や利用の精度が向上した。複数のモデルやシステムが連携してタスクを達成する高度な構造の構築が可能になった。
- AIによるUIデザインとリデザイン
- Anti-gravityは、画面のスクリーンショットを分析してデザインを理解し、既存のコードベースに適用してウェブサイト全体を再デザインする能力を持つ。
- 開発プロセスへのAIの統合
- Anti-gravityは、コード生成の過程でタスクリストや実装計画を自動的に作成し、コードベースのドキュメンテーションとしても機能する。
- OpenAI互換性レイヤーの提供
- 既存のOpenAIプロジェクトを使用している開発者は、APIキーやベースURL、モデル名を変更するだけで、少ないコード変更でGemini 3 Proに移行しやすくなる。
- 直感的なUI修正機能
- AI Studioの「annotate app」機能により、UIの要素を囲んでコメントを追加することで、デザイナーとの作業のように、AIに直接デザイン変更を依頼できるようになった。
IT部門に与える影響、おすすめのネクストアクションは
IT部門に与える影響
- 生産性の劇的な向上
- Gemini 3 Proの高いコード能力とAI Studioのオートフィックス機能は、社内ツールの開発・保守における工数削減に直結する。
- 運用管理の一元化
- Google Cloudを通じたデプロイにより、ログ、API使用状況、課金情報、レート制限をGoogle AI Studio内で一箇所で確認できるようになり、ガバナンスとコスト管理が容易になる。
おすすめのネクストアクション
- エージェント型アプリケーションの導入検討
- Gemini 3 Proの複合的なエージェント能力を利用し、複数のステップや外部ツール連携を必要とする社内業務の完全自動化プロジェクトを検討すべきである。
- AIネイティブIDEの評価
- 開発チームに対し、Anti-gravityを導入し、既存のコードベースのドキュメンテーション自動生成や、デザイン要求に応じたウェブサイトリデザイン機能の有効性を評価する。
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