システム構成は変更不要 パナソニックISが1週間でゼロトラストを実装した秘策:マイクロセグメンテーション実装の近道
オンプレミスシステムとクラウドサービスをまたぐゼロトラストセキュリティの導入は、構成変更という“大工事”を伴うものだ。パナソニックISが既存インフラに手を加えず、1週間でその仕組みを実装した手法とは。
パナソニックグループのIT事業を担うパナソニック インフォメーションシステムズ(以下、パナソニックIS)は、グループ横断で進める事業戦略「Panasonic Transformation」(PX)の中でサイバーセキュリティを最重要課題の一つに位置付けている。テレワークの普及などの変化に伴い、従来の境界型防御から、全てのアクセスを疑い、常に検証する「ゼロトラストセキュリティ」への移行を強力に推し進めている。
パナソニックにとって、2021年に経験したサイバーインシデントは大きな転機となった。この出来事をきっかけにセキュリティ戦略と推進体制を抜本的に見直し、脆弱(ぜいじゃく)性がない状態を計画的に維持する「サイバーハイジーン」を中核としたセキュリティ対策へと方針を転換した。
課題の解決に向けて、パナソニックISはサーバごとに細かく通信を制御するマイクロセグメンテーションの導入を検討した。しかし、イントラネット内におけるサーバ間の通信制御を実装しようとした同社の前に、インフラ運用における“泥臭い現実”が立ちはだかる。当初検討したアプライアンス型ファイアウォールは、機器の導入費用が膨大になるだけではなく、1カ所当たり数カ月の調達リードタイムがかかることが分かった。オンプレミスシステムに加え、クラウドサービスに対しても同一の仕組みで通信制御を管理したいという要件も考慮しなければならなかった。
この「数カ月待ち」状態を回避し、オンプレミスシステムとクラウドサービスが混在するシステムを守るために、パナソニックISはどのような戦略を採用したのか。既存のネットワーク構成に大掛かりな変更を加えることなく、理想的な防御態勢を短期間で構築した手法とは。
「数カ月待ちの大工事」を回避してゼロトラストセキュリティを導入
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パナソニックISが着目したのが、ソフトウェアによる新たな防御手法だ。同社が複数製品を比較し、概念実証(PoC)を経て採用に至ったのが、Akamai Technologiesのマイクロセグメンテーションサービス「Akamai Guardicore Segmentation」(AGS)だった。採用に至った要因は、ハードウェアやサーバの動作条件に依存しない導入のしやすさと、日本語による手厚いサポート体制だ。
AGSは、既存のネットワーク構成を変更することなく、仮想的な網をかぶせるオーバーレイ方式で動作する。サーバOSが標準搭載する機能を利用するのではなく、専用のエージェントソフトウェアを追加する方式を採用している。OSの機能に依存する仕組みでは、他のソフトウェアを別途インストールしなければならない場合があり、業務アプリケーションに及ぼす影響を個別に検証する手間が発生する。これに対してAGSのエージェント方式はネットワークへの影響を最小限に抑えることができ、将来的なシステム変更に対する拡張性が評価された。
運用面でも障壁を乗り越える必要があった。パナソニックISはグループ全体のセキュリティ水準を底上げするため、サーバごとに設定を最適化し、細かい単位で通信を制御できる体制を目指していた。しかしそのためには、アプリケーションの担当者と連携して必要な通信を個別に洗い出し、1台当たり数百行にも及ぶホワイトリスト型のセキュリティポリシーを作成、適用しなければならなかった。
この作業の効率化において大きな役割を果たしたのが、Akamai Technologiesによる日本語の手厚い技術指導だ。製品仕様の解説にとどまらず、API(アプリケーションプログラミングインタフェース)連携の活用や実践的なハンズオン指導によって、作業効率を大幅に引き上げることができたという。
AI機能を取り入れた自律的な防御も視野に
今後の展望として、パナソニックISは社内の構成管理データベース(CMDB)とAGSの連携を計画している。最新のIT資産情報とセキュリティポリシーを動的に連動させることで、管理業務のさらなる効率化を目指す構えだ。
AI(人工知能)技術や自動化技術の活用にも意欲を示している。AGSに組み込まれたAI機能や自動化を可能にするAPIを駆使することで、運用担当者の負担を軽減しつつ、高度なサイバー防御態勢を構築していく方針だ。パナソニックISは引き続きAkamai Technologiesとのパートナーシップを深めながら、セキュリティリスクを抱える全ての資産へと適用範囲を広げ、グループ全体のサイバーハイジーンを盤石なものにするという。
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。