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”情シス丸投げDX”で成果はやっぱり出ない 調査から見えた成功企業の共通点東京商工会議所調査で見えた成功の条件

東京商工会議所が公表した中小企業1272社の調査によると、DXに取り組む企業の8割が成果を実感する一方、競争力強化の段階に達した企業は1割未満だった。また、DXで成果が出ている企業にはある特徴があることが分かった。

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 あらゆる業種で人手不足が深刻化する中、中小企業にとってDX(デジタルトランスフォーメーション)による業務効率化は避けて通れない課題となっている。東京商工会議所が2026年6月17日に発表した「中小企業のデジタルシフト・DX実態調査」の集計結果(回答数1272社)からは、日本の中小企業におけるDXの現在地と、DXの成否を分ける重要な要因が浮き彫りになった。

DXで成果が出ている企業の特徴は?

 調査では、企業のデジタルシフト・DXの状況を以下4段階で分類している。

  • レベル1:口頭連絡、電話、帳簿での業務が多い
  • レベル2:紙や口頭でのやり取りをITに置き換えている
  • レベル3:ITを活用して社内業務を効率化している
  • レベル4:ITを差別化や競争力強化に積極的に活用している

 調査の結果、最も多かったのは、レベル3で38.1%だった。一方、レベルの中で最も高度なレベル4は8.3%で最も少なかった。

 また、DXの目的として最も多かったのは「業務効率化」で95.1%だった(レベル2〜4の企業を対象に集計、以下同じ)。次いで「コスト削減」(51.0%)、「企業文化・働き方の変革」(40.3%)が続く。多くの企業にとってDXは、新規事業創出やビジネスモデル変革よりも、まずは既存業務の効率化や省力化を目的とした取り組みであることがうかがえる。

DXで成果を実感する企業は8割超

 では、実際にDXは成果につながっているのだろうか。調査によると、「十分な成果が出ている」が15.0%、「一部成果が出ている」が65.9%となり、合計80.9%の企業が何らかの成果を実感していた。

 具体的な成果としては、「業務効率化(コスト削減、時間短縮、ミス防止など)」が82.3%で最多だった。続いて、「業務の見える化」が49.6%、「標準化(脱・属人化)」が41.5%となった。

 さらにDXのレベル別に見ると、取り組みが進んでいる企業ほど成果を実感している傾向が鮮明だ。レベル4の企業の44.8%は「十分な成果が出ている」と回答しており、レベル2企業の2.2%を大きく上回った。

 興味深いのは、レベル4企業では業務効率化だけでなく、「顧客満足度向上」「意思決定の迅速化」「販路・売上拡大」「新製品・サービス開発」などの成果を挙げる割合が高いことだ。DXの成熟度が高まるにつれ、目的や成果が効率化から競争力強化へと広がっていることが見て取れる。

成果企業に共通していた「計画」の存在

 では、成果を出している企業とそうでない企業の違いは何だろうか。調査結果からまず見えてくるのが、DX計画の有無だ。

 DXに関する計画を「策定している」と回答した企業は20.1%、「策定を検討している」は43.4%だった。合わせると63.5%の企業が何らかの形で計画策定に取り組んでいる。

 成果との関係を見ると、計画を策定している企業では「十分な成果が出ている」が29.5%だった。一方、「策定する予定はない」とした企業では17.1%にとどまる。さらに、「成果を測定できていない・分からない」と回答した割合は、計画策定企業が3.1%だったのに対し、計画がない企業では31.4%に達した。

 この結果からは、単にシステムやツールを導入するのではなく、目的やゴールを明確にした上でDXを進める企業ほど成果を得やすいことが分かる。

DXの成否を分けるのは「技術」ではなく「経営」

 そして、今回の調査で最も注目すべき結果を見ていく。DX計画を策定または検討している企業に対して、「誰が計画策定を主導しているか」を尋ねた質問では、「経営者(社長、代表取締役)」が47.5%で最多、次いで「経営幹部」が29.3%だった。つまり、約8割の企業では経営層がDXを主導していることになる。

 さらに成果との関係を見ると、「十分な成果が出ている」と回答した割合は、経営者主導企業が16.3%、経営幹部主導企業が15.1%だった。一方、担当者や専任者など経営層以外が主導する企業では7.1%にとどまった。

 DXを成功させる上で重要なのは、最新のAIやクラウド、SaaSを導入することではなく、経営層が自ら旗振り役となり、全社的な変革として推進することが結果から示唆されている。

業務改革まで踏み込める企業ほど成果を出している

 経営主導のDXが重要であることを裏付ける結果は他にもある。DXを進めるに当たって「全社横断的に業務プロセスを見直している」と回答した企業は50.9%だった。「部門ごとに見直している」を含めると84.3%に達する。

 成果を見ると、全社横断的な見直しを実施している企業では、「十分な成果が出ている」が23.3%だった。一方、業務プロセスを見直していない企業では7.3%にとどまる。さらに、見直しをしていない企業では53.6%が「成果を測定できていない・分からない」と回答した。

 これは、DXの成果がシステム導入そのものではなく、業務改革とセットで初めて生まれることを示している。

DX成功企業の共通点は「経営主導」「計画」「業務改革」

 今回の調査から見えてきたのは、DXの成否を左右するのは技術そのものではないという事実だ。

 成果を出している企業には、1.DX計画を策定している、2.経営者や経営幹部が主導している、3.業務プロセスを全社的に見直しているという共通点があった。

 AIやクラウドなど新しい技術への注目が集まる一方で、DXを成功させるために求められているのは、経営層が変革の方向性を示し、組織全体を巻き込むことなのかもしれない。中小企業のDXにおいては、「何を導入するか」以上に、「誰が主導するか」が成果を分けるポイントになりそうだ。

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