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Claudeが耐量子暗号を攻略 迫られる暗号移行計画の見直し量子耐性でも安全ではない?

耐量子暗号の有力候補「HAWK」の欠陥をAIが瞬時に露呈させた。次世代標準の盲点を突いた今回の事態は、暗号移行を進める企業に何を迫るのか。

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 暗号アルゴリズムは、データを保護しデジタル通信の安全を確保するための基盤となる技術だ。Anthropicの「Claude Mythos Preview」によって攻撃手法が実証された暗号方式「HAWK」の脆弱(ぜいじゃく)性は、耐量子セキュリティの標準化の盲点を浮き彫りにした設計上の欠陥だった。

 HAWKアルゴリズムの突破は孤立した事象にとどまらない。競合モデルやオープンソースの取り組みの台頭が、この傾向を加速させる可能性がある。事実、それほど注目されていないシステム侵害も発生している。Claude Mythos Previewは、主要なあらゆるOSやブラウザで、深刻度が「高」および「緊急」の脆弱性を数千件も特定した。これは当初の学習目標を超える発見だった。

 研究者や企業、国際標準化団体は、「今収集し、後で解読する」(HNDL:Harvest Now, Decrypt Later)サイバー攻撃など、次世代セキュリティの欠陥に対処するため連携している。一方で、Claude MythosをはじめとするフロンティアAIモデルは、確立されたツールや従来の手法を用い、前例のないペースで脆弱性を暴き出している。HAWKアルゴリズムの突破は、耐量子暗号の構造的な課題だけでなく、将来の検証についての課題も浮き彫りにした。同時に、研究者が認識して対処できる弱点を示したという意味では1つのブレイクスルーでもある。

 以下では、AIが急速に塗り替えるセキュリティの課題と現実的な対策を解剖する。

耐量子セキュリティの保証を求めて

 2026年4月、AnthropicはClaude Mythos Previewを初めて公開した。これは、モデルの利用を制御してAI支援によるサイバー攻撃の防止を目指すアクセス制限付きコンソーシアム「Project Glasswing」の中核モデルだ。2026年7月28日、同モデルはオランダの研究者が構築した暗号セキュリティ方式「HAWK」を突破した。米国立標準技術研究所(NIST)は、耐量子暗号の選定プロセスの一環としてHAWKアルゴリズムの包括的な分析と評価を進めていた。

 現代のITセキュリティは、「AES」(Advanced Encryption Standard)や「DES」(Data Encryption Standard)、「RSA」暗号システムなどのデジタル暗号で構成されている。これらの標準的な暗号アルゴリズムは、Webサイトの認証やネットワークを流れるデータの保護を担っている。しかし、このような計算量に基づくセキュリティ方式は、量子コンピューターによる攻撃に弱い。AIと量子技術が急速に進化する中で、堅牢(けんろう)なセキュリティを見いだすことは急務となっている。

 現在は、従来の公開鍵暗号から新たな数学的問題に基づく耐量子アルゴリズムへと移行する歴史的な転換期にある。これはAI時代のデジタル処理の根本的な変化を意味する。量子技術は、デジタル署名や暗号化されたWebトラフィック、鍵交換を容易に解読できる。現代のITシステムが突破される懸念からHNDL攻撃への警戒が高まっている。さらにHAWKへの攻撃は、現在のITシステムや社会全体が耐量子の世界に対応できているのかという重い問いを突き付けている。

HAWKの突破が耐量子暗号に意味すること

 HAWKのアルゴリズムは、将来の量子攻撃に耐えられるよう設計されたデジタル署名で構成されていた。この暗号署名は、代数構造に基づく数体系を利用している。構造の一部としてHAWKは、暗号学用語で「乱雑」とされる多次元格子構造の隠れた対称性を利用していた。これにより、侵入経路を見つける計算複雑性をほぼ無限に高めていた。しかしClaude Mythos Previewは、HAWKの格子対称性を構造的に「折りたたむ」ことで、極めて短時間で侵入経路を発見した。結果、HAWKのセキュリティマージンは実質的に半減し、鍵長が縮小して脆弱性が露呈した。

 HAWKへの攻撃は、機会と課題の双方をもたらしている。企業のリーダーや研究者は、提案されている耐量子暗号標準を再評価する必要がある。特にHNDL攻撃に関連する企業およびビジネス上のリスクに適用する場合はなおさらだ。また、AIが見つけたセキュリティ侵害の検証で、人間がどのように関与すべきかについても再考が求められる。

 AIによって数学的欠陥の発見は加速する。しかしその結果を検証するには研究時間が大幅に増え、企業が脆弱性をレビューするプロセスのボトルネックにもなりかねない。レビューの工程にマルチエージェントAIを組み込めば、誤検知を減らしつつ新たなけん制機能を構築するのに役立つ。ただしその統合には、AIとの信頼境界を築くだけでなく、コードレビューにビジネスロジックを適用する高度な研究スキルなど、全く新しいスキルの課題も生じる。

 ソフトウェア開発において、防御用AIエージェントはITシステムで攻撃コードのテストを繰り返し実行できる。しかしこの手法では、誤検知の排除や疑わしい脆弱性の確認、欠陥の修正パッチ適用が必要になる。こうした新たな課題に対処するため、脆弱性運用はソフトウェア開発の標準的なプラクティスになる可能性がある。一方、パッチ適用がもたらす別の意図せぬ影響として、パッチがリバースエンジニアリングされて分析され、将来の攻撃用の新たな設計図に転用されるリスクがある。これにより、弱点の発見からパッチ適用までの猶予時間はさらに短縮される。

 Claude Mythosと同等以上の性能を持つオープンソースモデルが普及する脅威も依然として存在し、攻撃対象領域の拡大につながっている。AIモデルの能力が向上し高度化するにつれ、AI性能の基準は確実に変化している。問われているのは、こうした進歩にどれだけ迅速に適応できるかだ。

 HAWKへの攻撃で、Claude Mythosは標準的でよく知られたツールを用い、暗号解読の探索を実行して脆弱性を発見した。RSAベースの公開鍵方式から耐量子セキュリティへの移行期で、暗号解読の目的は量子攻撃に耐え得る強度と完全性を確保することにある。HAWKとClaude Mythosを巡る今回の事象は、AIの暗号解読能力を生かし、符号ベース暗号や格子暗号の研究をさらに強化すべきであることを示唆している。

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